カミングアウトという言葉がある。
セクシャルマイノリティの人が自らの性のあり方について他者に開示する意味合いでよく使われる。
けれども、カミングアウトをして自分のことを伝え、周りに受け入れてもらうことは、マイノリティの人だけの行為に限られない。
逆を言えば、本来の自分を隠したまま生きている人は、かなり多い。
相手の期待に応えたかったり、軋轢を避けるために、奥さんに自分の考えを伝えられなかったり、親に本音を話せないようなケースはよく聞く。
身近な人に嫌われるのが怖く、本当の自分を見せられない人もいる。
閉鎖的な社会や価値観のもとでカミングアウトするには、受け入れられない可能性があることも理解したうえで、行動をしなければならない。
一定の人は、自分のことを認めないかもしれない。それでも自分を隠すより、本来の自分を生きていきたい。そんな思いがカミングアウトにつながる。
本当は何を発言しようとも、どんな思考を持とうとも誰にも批判されず、個人を尊重するような社会が良いと思う。けれども、いまだ社会はその状況ではない。
だからこそ、家族とか友人とかの小さなコミュニティで、その信頼関係を担保できていることが非常に貴重である。
自分の考えや価値観を外に出すことは勇気のいる行動だけれども、その勇気の一歩先に自由で安心した人間関係がまたあることも事実である。
まだまだ「嫌われてもいい」という覚悟が必要な社会だけれど、小さなコミュニティを確かなものにしていくことが、社会を変えていくステップになると信じている。


