6月28日(火) | 塾長雑記帳

塾長雑記帳

盛岡市高松にある個人塾「石原学舎」塾長のブログです.
石原学舎の生徒さんの様子,チェロ,読書などの話題がメインです.

June 2016 the Strad より

誌上レッスンは珍しくチェロ。重音がテーマだ。

講師は3度を弾くときに1-4 ではなく親指-2または親指-3 を推奨している。新たな指使いシステムを考案した、と書いてあるけど、わしはLuigi を買ってからずっと3度はこの指使いにしている。親指のほうが安定しているし、そもそも楽器が大きすぎて低いポジションで拡張をするのがしんどい。1-4で弾くメリットは全くないんだよね。ヴィブラートも(かけることは滅多にないけど)親指を使った指使いのほうが自然にかかる。

6度は2-3と1-2の指を換える指使いではなく、1-2と1-3の指使いを推奨している。これも、十年くらい前からわしはこの指使いを使っている。6度の場合、伝統的な2-3,1-2の指使いだと中指で弦を飛ばなくてはならず、音がクリアに出ない。わしの習っていた先生はこのような指使いを強く要求していた。先生の先生がそういう指使いをしていたという、ただそれだけの理由だと思う。特別な場合を除いて、人差し指を低い方の音を出す弦に置きっぱなしにした方が楽だし、音もクリアに出る。

こういう記事を見ていると、自分の頭で考えながら教える先生がいかに少ないかということを実感する。わしは自分が素晴らしい先生であるとは思わぬが、少なくとも自分で考えて、試行錯誤して、よりマシなものを教えているという自負はある。チェロでも、勉強でも。