立体図形の一行問題③ | 受験算数はきょうもおもしろい

以前の記事に関連する話です。

 

立体図形の一行問題の第3回です。

 

  サッカーボール(筑波大学附属2024)

 

サッカーボールは、正五角形と正六角形の2種類の正多角形でつくられていると考えることができます。右の図のように、サッカーボールのどこを見ても、正五角形の周りは正六角形で囲まれています。図のサッカーボールには正五角形が12面あります。このとき、正六角形は何面ありますか。計算の過程や考え方も書きなさい。

 

右矢印 1つの正六角形に注目すると、6本ある辺のうち3本が正五角形と辺を共有しているのがわかる。

すると正六角形の辺の数について

  • 正五角形と共有する辺が60本(「正五角形が12面」あるから5×12=60より)
  • 正五角形と共有しない辺が同じく60本

あるから正六角形の辺の数はぜんぶで120本

 

よって120÷6=20より正六角形は20面

 

 

  八面体(甲陽学院2024第2日)

 

右の図は立方体で、点Pと点Qはそれぞれ正方形ABCD、EFGHの対角線の交点です。四角すいPEFGHと四角すいQABCDの共通部分の体積は立方体の体積の▢倍です。ただし、四角すいPEFGHの体積は立方体の体積の⅓倍です。
 

 

右矢印 まず「四角すいPEFGHと四角すいQABCDの共通部分」は次の赤のような四角すいを上下につなげた立体

このうち上半分の四角すいの体積を考える(下半分の四角すいの体積もこれと同じなので最後に2倍する)

  1. 上半分の四角すいの体積は四角すいPEFGHの体積の⅛倍(辺の比1:2の相似形だから体積比1:8より)
  2. また「四角すいPEFGHの体積は立方体の体積の⅓倍
  3. したがって上半分の四角すいの体積は立方体の体積の¹⁄₂₄倍(=⅛×⅓)
よってこれの2倍だから共通部分の体積は立方体の体積の¹⁄₁₂倍

 

 

  立方体の展開図(立教女学院2024)

 

図1の立方体を、図2のように展開しました。3つの文字ア、イ、ウは、どこに現れますか。図2の文字の向きに注意して、解答用紙の図に書きこみなさい。
 

 

右矢印 まず「展開図がこういう形だったらすぐにわかるのに…」という理想形の正方形ABFEと正方形BCGFを図2につけ足す。これなら簡単にアとイの向きもわかる

 

あとは赤の辺EFと赤字アの位置関係、赤の辺FGと赤字イの位置関係に注目して、これを実際の辺EF、辺FGのある正方形に同じ形になるように移せばよい

よって 完了