N進法で解く整数問題② | 受験算数はきょうもおもしろい

以前の記事の続きです。

 

整数の個数を求める整数問題で、場合の数としても解けるが、N進法との相性もわるくないものとして、次のような問題が今年も出されています。

 

  8進法(大妻2024)

 

1から240までの整数のうち、どの位にも4と8が使われていない整数は何個ありますか。

 

右矢印右矢印右矢印

  1. 4と8が使われていない」整数を小さい順に並べるときその並び方は4と8以外の8コの数字を使った8進法となっている
  2. 8進法の240は右から1の位、8の位、64の位となるから(64×2+8×4+0=160より)10進法で書くと160
  3. したがって(ふだん使っている10進法では1からはじまる連続する数と順番は同じになるから)8進法の240は160番目の数。ただしこの160番目の数240にも4が入っているのでこの最後の1個は対象外となる

よって160-1=159個

 

 

  変則3進法(三田学園2024B)

 

1と3と5をいくつか使ってできる整数を小さいほうから並べると、次のようになります。
 1, 3, 5, 11, 13, 15, 31, 33, … 
このとき、3135は小さい方から数えて何番目の数字ですか。

 

右矢印1と3と5」という3つの数だけ使ってできる整数だから3進法になっている。ただし、いまは変則3進法になっており、これをふつうの3進法(1, 2, 3, 11, 12, 13, 31, 32, …)にするため

という対応表を使って考える。すると

  1. 表より「変則3進法の3135」=「3進法の2123」
  2. つぎに(数字と順番を同じにするため)これを10進法に直す。すると3進法では右から1の位、3の位、9の位、27の位だから(27×2+9×1+3×2+1×3=72より)「3進法の2123」=「10進法の72」

よって3135は小さい方から72番目

 

 

  0あり変則3進法(サレジオ2024)

 

次のように、0、1、3を使ってできる整数を小さい順に並べます。
 0, 1, 3, 10, 11, 13, 30, 31, 33, 100, …
初めから数えて、22番目の数は[①]であり、[②]番目の数は3010です。

 

右矢印0、1、3を使ってできる整数」だから3進法になっている。ただし、いまは変則3進法になっているのでふつうの3進法(0あり)

(0, 1, 2, 10, 11, 12, 30, 31, 32, 100, …)にするため

という対応表を使って考える。

①22番目の数

ふだんの数え方とちがって0が1番目になっていることに注意する。つまり知りたいのは0から数えて「22番目の数」だから1から数えて21番目の数をしらべることになる

  1. すだれ算より「10進法の21」=「3進法の210」                       

  2. 表より「3進法の210」=「変則3進法の310」

よって①=310

 

②3010になる数

変則3進法であらわされた3010を10進法であらわすとどうなるかしらべる。そして最後に順番を出すときは(0を1番目にするので①の逆で)+1する

  1. 表より「変則3進法の3010」=「3進法の2010」
  2. 3進法の数は右から1の位、3の位、9の位、27の位だから(27×2+3×1=57より)「3進法の2010」=「10進法の57」

よって(57+1=)58番目の数だから

②=58 完了