犬が動ける範囲② | 受験算数はきょうもおもしろい

以前の記事の続きです。

 

「犬が動ける範囲」という受験算数の定番問題の今年の出題例です。

 

  正六角形(田園調布学園2024第2回)

 

図のように、正六角形の小屋の外側をヤギが移動します。正六角形の1つの頂点とヤギを、長さ4mのひもで繋(つな)ぎました。正六角形の一辺の長さが2mであるとき、ヤギが動くことのできる範囲(はんい)の面積は何㎡ですか。

 

右矢印右矢印右矢印

  1. 正六角形の1つの外角は60°(=360÷6)なので1つの内角は120°(=180-60)
  2. したがってその範囲は次のように❶半径4mのおうぎ形(中心角240°)と❷半径2mのおうぎ形(中心角60°)が2つとからなるそれぞれ面積を求めると
  • ❶…4×4×3.14×240÷360=³²⁄₃×3.14
  • ❷…2×2×3.14×60÷360×2=⁴⁄₃×3.14

よって❶+❷=12×3.14=37.68㎡

 

 

  正八角形(法政2024)

 

右の図は、1辺の長さが2mの正八角形の建物を上から見たものです。1つのかどには、ロープで犬がつながれています。次の場合に、犬が動くことのできる範囲の面積を求めなさい。ただし、円周率は 3.14とします。

⑴ ロープの長さが2mの場合 

 

 

右矢印右矢印右矢印

  1. 正八角形の1つの外角は45°(=360÷8)なので1つの内角は135°(=180-45)
  2. したがってその範囲は半径2mのおうぎ形で中心角225°(=360-135)の部分

よって 2×2×3.14×225÷360=7.85㎡

 

⑵ ロープの長さが8mの場合     

 

右矢印右矢印右矢印

  1. 次のように❶半径8mのおうぎ形(中心角225°)、❷半径6mの八分円が2つ、❸半径4mの八分円が2つ、❹半径2mの八分円が2つとからなる形となる
  2. それぞれ面積を求めると
  • ❶…8×8×3.14×225÷360=40×3.14
  • ❷…6×6×3.14÷8×2=9×3.14
  • ❸…4×4×3.14÷8×2=4×3.14
  • ❹…2×2×3.14÷8×2=3.14

よって❶+❷+❸+❹=3.14×(40+9+4+1)=169.56㎡ 

 

 

  正五角形(立命館2024)

 

下の図は、1辺の長さが7mの正五角形の柵(さく)を上から見た図です。長さ10mのリード(ロープ)があり、両はしをそれぞれPとQとするとき、Pは正五角形の頂点や辺に結ぶことができるようになっており、Qには犬がつながれています。このとき、あとの問いに答えなさい。ただし、犬は柵の内側に入ることはできず、犬の大きさ、リードの太さは考えないものとします。

⑴ リードのはしPが頂点Bに結ばれ固定されているとき、犬が動くことのできる部分の面積は何㎡か答えなさい。

 

 

右矢印右矢印右矢印

  1. 正五角形の1つの外角は72°(=360÷5)なので1つの内角は108°(=180-72)
  2. したがってその範囲は 次のように❶半径10mのおうぎ形(中心角252°)と❷半径3mのおうぎ形(中心角72°)が2つとからなる。それぞれ面積を求めると
  • ❶…10×10×3.14×252÷360=70×3.14
  • ❷…3×3×3.14×72÷360×2=3.6×3.14
よって ❶+❷=73.6×3.14=231.104㎡

 

⑵ リードのはしPが辺AB上を動くことができるようになりました。このとき、下の例にならって犬が動くことのできる部分のおよその形を解答欄(かいとうらん)に図示し、その部分の面積は何㎠か答えなさい。

 

右矢印右矢印右矢印

 

犬が動くことのできる部分のおよその形:

  1. これは❶半径10mのおうぎ形(中心角162°)が2つ、❷半径3mのおうぎ形(中心角72°)が2つ、❸長方形(たて10m、横7m)とからなる
  2. それぞれ面積を求めると
  • ❶10×10×3.14×162÷360×2=90×3.14
  • ❷3×3×3.14×72÷360×2=3.6×3.14
  • ❸10×7=70

よって❶+❷+❸=93.6×3.14+70=363.904㎡ 完了