基準との差に注目する平均算 | 受験算数はきょうもおもしろい

以前の記事の続きです。

今年の入試問題より平均算の第4回です。

 

  その1(修道2024)

 

修さんは、月曜日から金曜日までに読んだ本のページ数を、右の表のようにまとめました。月曜日の欄には、月曜日に実際に読んだページ数を書いており、火曜日以降の欄には、前の日に読んだページ数との変化を書いています。たとえば、火曜日は月曜日より1ページ多い101ページ読みました。修さんは、この5日間で1日平均何ページ読みましたか。

 

右矢印 月曜日の100ページを基準として100ページより多いページ数だけ数えていくと(最後にその平均を100ページに足すと)

  • 火曜日の「+1」は火・水・木・金の4回数えることになるからあわせて+4
  • 水曜日の「+4」は水・木・金の3回数えるからあわせて+12
  • 木曜日の「+10」は木・金の2回数えるからあわせて+20
  • 金曜日の「+4」は1回だけなのでそのまま+4

これらを合計すると4+12+20+4=+40。これは1日平均+8(=40÷5)ということ

 

よってこの5日間で読んだのは

 100+8=1日平均108ページ

 

 

  その2(立命館2024)

 

クラスの25人に対して、国語と算数のテストが行われました。どちらのテス卜も20点の問題が5問ずつある100点満点のテストで、部分点はありません。下の表は、このテストの結果を表したものですが、合計が24人になっていて、1人分書かれていません。また、クラス全体の平均点は、国語が60点、算数が62.4点です。表に書かれていない1人の国語と算数の点数はそれぞれ何点か答えなさい。

 

右矢印表に書かれていない1人」の点数について国語、算数の順に考えていくと

国語の点数

クラス全体の平均点は、国語が60点」だから60点との差に注目して60点との差の合計が最後にゼロになるようにすることを考える

  • ちょうど60点の人ははじめから無視できる(次の表の❌部分)

  • ㋐40点の人が1人と80点の人が1人いれば打ち消し合う(この2人で平均60点になるので)→青のマスは無視できる
  • 40点の人が2人と100点の人が1人いれば打ち消し合う(この3人で平均60点になるので)→赤のマスは無視できる
すると残るのは40点が2人と80点が1人
 
よって(㋐より)これを平均60点にするような「表に書かれていない1人」の国語の点数は80点 
 

算数の点数

クラス全体の平均点は…算数が62.4点」だから平均60点のときと比べると平均点で2.4点大きい。つまり(クラスは25人だから2.4×25=60より)合計点で60点大きい。そこで60点との差に注目してこんどは60点との差の合計が最後に+60になるようにすることを考える。すると

  • ちょうど60点の人ははじめから無視できる(上図❌部分)
  • ㋐より青のマス、㋑より赤のマスは無視できる
こうして残るのは80点が3人。そしてうまい具合にこの3人で平均60点との差を合計するといまぴったり+60
 
よって(平均60点との点数差をいまのままにしたいから)表に書かれていない1人」の算数の点数は60点 完了