正五角形と正六角形④ | 受験算数はきょうもおもしろい

以前の記事の続きです。

 

正五角形や正六角形を使った角度や面積問題の今年の出題例です。

 

  その1(札幌日大2024)

 

1辺の長さが等しい正五角形と正六角形が下の図のように重なっています。角㋐の大きさを答えなさい。

 

右矢印 次の四角形(青)に注目すると

  1. 正五角形(3つの三角形に分割できる)1つの内角は108°(=180×3÷5)だから❶=108°
  2. 正六角形(4つの三角形に分割できる)1つの内角は120°(=180×4÷6)だから❷はその半分で60°

よって四角形の内角の和360°より

 ㋐=360-❶×2-❷=84°

 

 

  その2(夙川2024)

 

右の図のように、1辺の長さが等しい正方形と正五角形を交互(こうご)に並べていきます。このまま並べ続けたとき、重なることなく輪の形に並べきることができます。このとき必要となる正方形の個数は▢個です。正方形や五角形を上に重ねることはないものとします。

 

右矢印 正五角形1つと正方形1つのペアで1セットとみる。これを「輪の形」に並べると、次のように正五角形の辺と正方形の辺をのばした線が交わるところに輪の中心がくる。

このときできる四角形(青)の内角ア~エの大きさを順に求めていくと

  1. 角ア…正五角形の1つの内角は108°だからア=180-10872°
  2. 角イ…360-108-90=162°
  3. 角ウ…直角で90°
  4. 角エ…360-72-162-90=36°
こうして角エ=36°がわかり(360÷36=10より)正五角形と正方形のペアを10セット並べたときちょうど輪の形になるのがわかる。
 
よって(1セットにつき1個の正方形があるから)
正方形の個数は10個
 

 

  その3(灘2024)

 

図の五角形ABCDEは正五角形で、四角形CDFG、ADHIはどちらも正方形です。このとき、角㋐の大きさは▢度です。
 

 

右矢印 AC間に補助線を引くと

  • △BACと△EADは二等辺三角形(頂角108°、底角36°)で合同
  • △ACDも二等辺三角形(頂角36°、底角72°)
  • したがって角GCA=90-7218°
 
つぎにCF間に補助線を引くと
  • 角ACF=角GCF-角GCA=45°-18°=27°…ア
 
ところで△ACIに注目すると
  • △ACIはAC=AIの二等辺三角形で頂角CAIは126°(=角CAD+角DAI=36+90)
  • すると底角ACI=(180-126)÷2=27°…イ
こうして(ア、イより角ACFと角ACIは同じ角度27°とわかるから)Fは二等辺三角形ACIの底辺CI上にある点とわかる。
よって㋐は上図青の三角形の外角だから
 ㋐=72+27=99° 完了