数の性質2024③ | 受験算数はきょうもおもしろい

以前の記事の続きです。

 

今年出された数の性質の問題の第3回です。

 

  その1(金蘭千里2024C)

 

1から500までの500個の整数が小さい順に並んでいる。ある数から順に30個の整数を加えると、合計が5115になった。ある数は▢である。

 

右矢印 ある数▢を1番目とするとき30番目の整数は▢+29。これらの和は

 ▢+(▢+1)+(▢+2)+…+(▢+29)

   =▢×30+(1+2+…+29)…ア

そして等差数列の和の公式「(初項+末項)×項数÷2」*より

 1+2+…+29=(1+29)×29÷2=435

だからアは ▢×30+435 とあらわせる。

 

*「初項」は最初の数、「末項」は最後の数、「項数」は並んでいる数の個数のこと

よって ▢×30+435=5115 より

 ▢=(5115-435)÷30=156 

 

 

  その2(聖光学院2024)

 

1から120までの整数のうち、3でも5でも割り切れない数の総和を求めなさい。

 

右矢印3でも5でも割り切れない数」は周期15(3と5の最小公倍数)で同じようにくり返してあらわれる。そこで

  1. まず1~15でこれをしらべると1,2,4,7,8,11,13,14の8個。この8個の和は(1+14=15、2+13=15のように和が15になるペアが4組あるから)15×4=60
  2. つぎに16~30を考えると、個数は同じ8個(16,17,19,22,23,26,28,29)で、数はそれぞれ15ずつ大きくなるからその和は15×8=120だけ大きくなる

こうして31~45、46~60、…、106~120についても同じように考えることができるから結局

  • 初項…60
  • 末項…60+120×(8-1)=900
  • 項数…120÷15=8

等差数列(60、180、300、…、900)の和を求めればよいこととなる。

よって (60+900)×8÷2=3840

 

 

  その3(高槻中2024)

 

整数Aから整数Bを引くときに、Bのーの位を書き忘れて1けた少ない数を引いたところ524になりました。正しい答えは269です。A、Bはそれぞれいくつですか。

 

右矢印 まずA、Bのおよその大きさについて見当をつける。

  1. 整数Aから整数Bを引くとき…正しい答えは269」なので A-B=269…①
  2. また「Bの…1けた少ない数」とおよそ同じ大きさの数として0.1×Bを考えることができる。仮にこれを使うと A-0.1×B=524…②
  3. ①②をくらべると 0.9×B=255 だから B=283.3…。ここで仮にB=283としたとき条件に合うかどうかしらべる(うまく合えばそこで終了、合わないときは1ずつずらしてさらにしらべていく)。すると①よりB=283のときA=552。またBの「1けた少ない数」は28だからこれをAから引くと 552-28=524 となり一発でうまく条件に合う数が見つかった

よって A=552、B=283 完了