数の性質2024 | 受験算数はきょうもおもしろい

以前の記事の続きです。

 

今年出された数の性質の問題です。

 

  その1(立教新座2024)

 

4つの異なる整数A、B、C、Dがあります。これらの整数のうち異なる2つをたすと全部で6つの数ができますが、この6つの数の中に同じ数があったので、できた数は10、13、15、17、20の5種類でした。4つの整数A、B、C、Dの積を求めなさい。

 

右矢印4つの異なる整数A、B、C、D」を小さい順にア、イ、ウ、エとする。「異なる2つをたすと…できた数は10、13、15、17、20の5種類」だったから

  1. ア+イ=10、ア+ウ=13、イ+エ=17、ウ+エ=20がまず決まり、ここからイとウの差は3がわかる
  2. 本来できるはずの「6つの数の中に同じ数があった」ということだがそうなる数は「ア+エ」と「イ+ウ」しかないから ア+エ=15、イ+ウ=15も決まる
  3. イとウの差が3、和が15より イ=(15-3)÷2=6、ウ=イ+3=9。ア=10-イ=4、エ=20-ウ=11と4つの整数がぜんぶ決まる
よって4つの整数の積は
 4×6×9×11=2376

 

 

  その2(渋谷教育学園渋谷2024)

 

1から100までの100個の整数のうち、3でも7でも割り切れない偶数は何個ありますか。

 

右矢印 偶数は2の倍数のことだからベン図でいうと求めたいのはアの部分の個数。

そして

  1. 2の倍数の個数(ア+イ+ウ+エ)は100÷2=50コ…①
  2. このうち3の倍数でもある数の個数(イ+エ)は(つまり6の倍数の個数だから100÷6=16あまり4より)16コ…②
  3. また2の倍数のうち7の倍数でもある数の個数(ウ+エ)は(つまり14の倍数の個数だから100÷14=7あまり2より)7コ…③
  4. そしてアを求めるのに①-②-③をするとエの部分(2と3と7の公倍数の個数)を2回引くことになるからエの個数を足す必要がある。そのエの個数は(2と3と7の最小公倍数42より)42、84の2コ…④
よって ①-②-③+④ より
 50-16-7+2=29個
 
 

  その3(洗足学園2024)

 

1、2、3、4、5、6、7が1つずつ書いてある7枚のカードから4枚を選び、2枚ずつ並べて2桁の奇数を2つ作ります。大きい方の数が小さい方の数の倍数になるとき、考えることができる奇数の組をすべて求めなさい。なお、答えは (13, 25) のように書きなさい。

 

右矢印考えることができる奇数」のうち最も小さいものは13。ということは「大きい方の数が小さい方の数の倍数になる」ときの倍数とは3倍か5倍の数のこと(奇数にするには奇数倍しないといけないこと、できる数のうち最も大きい奇数は75であることより)

 

そこで場合分けしてしらべると

❶大きい方の数が小さい方の数の3倍のとき

  1. 小さい方の数の候補は(上限75より)13、15、17、21、23、25
  2. これに対応する大きい方の数は39、45、51、63、69、75だがこのうち39、69は作れないので最終候補は (15, 45) (17, 51) (21, 63) (25, 75)
  3. そして「7枚のカード」だから(同じ数字は使えないから)このうち条件に合うのは (21, 63) だけ

❷大きい方の数が小さい方の数の5倍のとき

  1. 小さい方の数の候補は(上限75より)13と15
  2. これに対応する大きい方の数は65と75でどちらも作れるから最終候補は (13, 65) と (15, 75)
  3. 同じ数字は使えないからこのうち条件に合うのは (13, 65) だけ

よって (13, 65) (21, 63) の2組 完了