以前の記事の続きです。
数の性質からの出題例の第10弾です。
その1(金沢学院大学附属2023)
1階から3階まで12秒かかるエレベーターがあります。1階から9階までは何秒かかるか答えなさい。
高さが3倍だから12×3=36秒となりそうだがよく考えると
- 「1階から3階まで」上がるとき実際に上がるのはフロア2つ分
- 「1階から9階まで」上がるとき実際に上がるのはフロア8つ分
よって8÷2=4倍の時間がかかるから 12秒×4=48秒
その2(立命館守山A2)
十の位の数とーの位の数の和が11の2けたの整数▢があります。この整数の十の位の数とーの位の数を入れかえた整数は、もとの整数より45大きくなりました。
いろいろ理屈を考えているよりは手を動かした方が早そうなのでそうすると
- もとの数「十の位の数とーの位の数の和が11」をたとえば(もとの数は入れかえた数より小さいから)56とすると「十の位の数とーの位の数を入れかえた整数」は65。65-56=9 だから45にはぜんぜん足りず、もっとはなれた数どうしをつぎにさがす
- 「和が11」を47とすると「入れかえた整数」は74。74-47=27 で少し近づいたがまだたりない
- そこで38と83で考えると 83-38=45 でぴったり条件にあう
その3(智辯和歌山2023)
2桁の整数について、次の3つの条件を考えます。
① 3で割ると1余る。
② 十の位の数よりーの位の数の方が大きい。
③ 7の倍数である。
次の問いに答えなさい。
⑴ 3つの条件すべてにあてはまる数は何ですか。すべて書きなさい。
3つの条件のうちあてはまる数の個数が一番少ないものに注目する。となると条件③「7の倍数」が一番少なそう。
ただ「2桁の整数」なのでこれでもすべて書き出すのは大変。そこで条件②もあわせて考えてこのうち「十の位の数よりーの位の数の方が大きい」ものだけを考えると
14、28、35、49、56
の5つにしぼられる。
よってこのなかで最後の条件①「3で割ると1余る」にもあてはまるのは
28、49
⑵ 3つの条件のうち2つだけにあてはまる数は何ですか。大きい方から2個書きなさい。
「大きい方から2個」という点をヒントに、それぞれの条件にあてはまる2ケタの数を大きい方から書き出ていく
①(3で割ると1余る)
→97,94,91,88,85,82,79,…
②(十の位よりーの位の方が大)
→89,79,78,69,68,…
③( 7の倍数)→98,91,84,77,…
すると一番大きいのは91(①③だけにあてはまる)、二番目に大きいのは79(①②だけにあてはまる)だとわかる。
よって 91、79
その4(晃華学園2023第2回)
1から100までのある整数を、連続するいくつかの整数の和で表すことを考えます。ただし、0は使いません。
例えば、6は連続する3つの整数の和で表すことができて、
6=1+2+3
となります。このとき、次の各問いに答えなさい。
⑴ 1から100までの整数のうち、連続する3つの整数の和で表すことができる数は何個あるか答えなさい。
例にある「6=1+2+3」の続きをやっていくと 2+3+4=9、3+4+5=12、…となり3の倍数(真ん中の数×3)になっているのがわかる。
とすると最後の数は「99=32+33+34」
よって真ん中の数33より(最初の数「6=1+2+3」は真ん中の数2だから)
33-2+1=32個
⑵ ⑴の数のうち、連続する4つの整数の和で表すことができる数は何個あるか答えなさい。
同じように 1+2+3+4=10、2+3+4+5=14、3+4+5+6=18 ぐらいまでやってみると4で割ると2余る数とわかる。
よって小問⑴の32個をみていくと
6,9,12,15、18、21,24、27,30、33、…
となり18から12(3と4の最小公倍数)ずつふえていくパターンだとわかるから
18、30、42、54、66、78、90
の 7個
⑶ ⑵の数のうち、連続する5つの整数の和で表すことができる数をすべて答えなさい。
これも最初のいくつかを書いてみると 1+2+3+4+5=15、2+3+4+5+6=20 となり5の倍数(真ん中の数×5)であるのがわかる。
よって小問⑵の8個のうち5の倍数は
30と90