以前の記事の続きです。
今年出された食塩水の問題の第3弾です。
その1(海城2024)
8%の食塩水80g、6%の食塩水120g、4%の食塩水150g、水▢gを混ぜて5%の食塩水をつくりました。▢にあてはまる数を求めなさい。
入っている食塩の量に注目すると
- 「8%の食塩水80g、6%の食塩水120g、4%の食塩水150g」にはあわせて 80×0.08+120×0.06+150×0.04=6.4+7.2+6=19.6gの食塩が入っている
- この食塩で「5%の食塩水」をつくるには 19.6÷0.05=392gの食塩水が必要
よって 80+120+150+▢=392 より
▢=392-350=42g
その2(獨協2024第3回)
容器Aには6%の食塩水が200g、容器Bには8%の食塩水が 400g入っています。容器Aから100g取って容器Bに入れて混ぜた後、容器Bから100g取って容器Aに入れて混ぜました。このとき、容器Aに入っている食塩水の濃度は何%ですか。
ビーカー図で考えると
よってできあがった食塩水200gのうち食塩は13.6gだから
13.6÷200=0.068 より 6.8%
その3(雙葉2024)
容器に濃度10%の食塩水が400g入っています。この食塩水に次のA、B、Cの操作を組み合わせて行いました。
A : 5%の食塩水を100g加える
B:水を50g加える
C:容器の食塩水を半分にする
Aを1回、Bを2回、Cを1回組み合わせて操作し、さらにBの操作をしたところ、400gの食塩水ができました。考えられる操作の手順のうち、最も濃度が高くなる手順を書きましょう。また、そのときの濃度は何%ですか。
いま「濃度10%の食塩水が400g」あるなかに入っている食塩は 400×10%=40g。そして食塩に注目してA、B、Cの操作の中身をよく見ると
- 食塩の量が増える操作はAだけ。このとき増える食塩の量は 100×5%=5g
- 操作Cをするとそのとき入っている食塩の半分が流出してしまう。つまりいまある食塩40gのうち少なくとも20gは必ず流出してしまう
そこで最も濃度を高くするには
- 操作Cによる食塩の流出は20gだけにして食塩20gを残す
- 操作Aで入ってくる食塩5gはそのまま残す
ような手順にすること。
そうすることで残る食塩は合計25gだから最も濃くなるときの濃度は(最後に「400gの食塩水」ができたから)25÷400=6.25%とまず決まる。
次に操作の手順を考えると、濃度6.25%にするには操作の順番としてCを必ずAの前にすることとなる。
そのような「Aを1回、Bを2回、Cを1回」操作する順番はぜんぶで6通り(BBCA, BCAB, BCBA, CABB,CBAB,CBBA)。このうち量がうまく350gになる(最後に操作Bをして「400gの食塩水」になる)のは
B(450)→B(500)→C(250)→A(350)
だけ(カッコ内の数字はその操作後の食塩水の量)
よって手順は B→B→C→A→B、濃さは 6.25%