以前の記事の続きです。
中央値、最頻値、ドットプロットなどを毎回取り上げていますが、入試問題で取り上げられるのは中央値が断トツに多いように感じます。
ということで今回は3問とも中央値の問題となります。
中央値①(和歌山信愛2023)
下の表は、あるクラスの出席番号1番から9番の生徒が持っている本の冊数について調べたものです。中央値は▢冊です。
「中央値」とは資料の値を大きさの順に並べたとき真ん中にくる値のことをいう。
そこで9コのデータを小さい順にならべかえると
3,5,7,7,10,11,13,13,15
となるから中央値は10冊
中央値②(星野学園2023)
あるクラスの何人かにテストを行ったところ、得点は下の表のようになりました。また、得点の中央値は6.5点でした。このとき、6点をとった人は何人ですか。
「中央値」とは資料の値を大きさの順に並べたとき真ん中にくる値のことをいう。そしてデータの数が偶数のときは中央にある2つの値の平均値となる。
問題文にある「中央値は6.5点」からわかることは
- このクラスの人数は偶数(奇数だとちょうど真ん中の人が1人いるので中央値が「X.5」という小数にはならない)
- 6点の人が少なくとも1人いる(中央値6.5というのは(6+7)÷2をした結果なので)
- 6点以下の人数と7点以上の人数が同じだけいる
そして表より7点以上の人が 6+4+2=12人いるから6点以下の人も12人いるはず。
よって6点の人は(12-(1+3+2)=6より)6人
中央値③(東邦大付属東邦2023後期)
AまたはBで解答する1番~10番までの10題の問題があります。問題の配点はそれぞれ10点で100点満点です。東さん、邦夫さん、大介さん、学さんの4人がそれぞれこの問題を解いたところ、4人の解答とその点数は次の表のようになりました。ただし、学さんの6番〜10番の解答と点数はわかりません。
このとき、下の問いに答えなさい。
⑴ 2番と3番と7番の正解の組み合わせとして正しいものを次のア~クの中から一つ選び、記号で答えなさい。
ア. 2番-A 3番-A 7番-A
イ. 2番-A 3番-A 7番-B
ウ. 2番-A 3番-B 7番-A
エ. 2番-A 3番-B 7番-B
オ. 2番-B 3番-A 7番-A
力. 2番-B 3番-A 7番-B
キ. 2番-B 3番-B 7番-A
ク. 2番-A 3番-A 7番-A
ほとんど満点の東さんとつぎに点数の高い大介さんの解答と点数をくらべてみる。すると10問のうち7問が同じ解答(黄色)なのでこれは正解と考えてよい(もし同じ解答だったこの7問のなかに2人とも間違えた問題があるとしたら残る3番、7番、10番はすべて東さんの解答が正解となるがこれだと大介さんは合計60点にしかならず条件に合わない)
この正解情報を使って邦夫さんの解答の答え合わせをすると(黄色は正解、×は不正解。以下同じ)
といまのところ20点。実際は50点なので3番、7番、10番はすべて邦夫さんは正解したとわかる。
よって表を完成させると正解の正しい組み合わせは エ(2番ーA、3番ーB、7番ーB)
⑵ 次のように解答したときの点数を求めなさい。
完成した正解表とくらべると4番、5番、6番、9番、10番が合っているので 50点
⑶ 東さん、邦夫さん、大介さん、学さんの点数の中央値として考えられる値は、全部で何通りあるか求めなさい。
とりあえずいまわかっている情報で学さんの解答を答え合わせすると
なのでいま20点。あと5問あるからこれを足すと学さんの点数は20点、30点、40点、50点、60点、70点のどれか。そこで場合分けをして中央値がどうなるかしらべると
- 20点のとき…4人の点数を小さい順に並べると「20、50、80、90」となるから中央値は50と80の平均値で65点
- 30点、40点、50点のとき…中央値は変わらず65点
- 60点のとき…「50、60、80、90」という点数順になるから中央値は60と80の平均値で70点
- 70点のとき…「50、70、80、90」という点数順になるから中央値は70と80の平均値で75点
よって4人の点数の中央値として考えられる値は65点、70点、75点の 3通り