積み木問題⑦ | 受験算数はきょうもおもしろい

以前の記事の続きです。

 

積み木を切ってバラバラにしたらぜんぶで何個になるかという積み木問題(中受生なら必ず一度は練習しているはずの)の今年の出題例です。

 

図1は18個の立方体を積み上げて作った直方体です。図1の直方体を平面で切り、その後、すべてバラバラにしたときの立体の個数を考えます。
例えば図1の直方体を3点ア、イ、ウを通る平面で切り、その後、すべてバラバラにすると、9個の立方体と18個の切られた立体に分かれ、立体は合計で27個となります。
次の問いに答えなさい。(渋谷教育学園渋谷2024)

 

⑴ 図1の直方体を3点イ、ウ、工を通る平面で切り、その後、すべてバラバラにすると、立体は合計で何個になりますか。

 

右矢印3点イ、ウ、工を通る平面」は下図左のような平行四辺形となる。

  • その切り口を右(点ウ、エのある面)から見ると下図右の青線のようになっており、この線の通る立体(グレーで示した部分)が切られる。切り口が通る立方体は2個に分かれるから切ったあとの立体の個数は次のとおり。

  • つまり一番右の列の6個の立方体は 1×2+2×4=10個になる。これ以外の列も同じように切られることとなる

よってバラバラにしたときの立体の合計は

 10×3=30個

 

図2は36個の立方体を積み上げて、直方体を作ったものです。
⑵ 図2の直方体を3点A、B、Cを通る平面で切り、その後、すべてバラバラにすると、立体は合計で何個になりますか。

 

右矢印 同じように考えると切り口は下図左、切ったあとの個数は下図右のようになるので、一番右の面だけ見ると 1×6+2×6=18個になる

よって立体の合計は 18×3=54個

 

⑶ 図2の直方体を3点A、B、Dを通る平面で切り、その後、すべてバラバラにすると、立体は合計で何個になりますか。

 

右矢印 まず切り口の形は次の通り。

これを上から見た図を考える。

  • 段ごとにスライス(横に切ること)して一番上の段(点A、C、Dがある)を「3階」、真ん中の段を「2階」、一番下の段(点Bがある)を「1階」とよぶ
  • それぞれの階に切り口が入るときの入口(青の実線)と出るときの出口(青の点線)を考えると次の通り。

  • そして青の線(実線でも点線でも)が通る立方体が2個に分かれることとなる(なお1つの立方体に両方の線があっても3個に分かれるわけではないことは少し考えるとわかる)
  • こうして切ったあとの個数を階ごとに集計していくと、❶3階は1×4+2×8=20個、❷2階は1×7+2×5=17個、❸1階は1×10+2×2=14個
よって立体の合計は 20+17+14=51個 完了