以前の記事の続きです。
今年出された相当算の出題例の第7弾です。
その1(桐朋中2023)
公園に男子と女子が同じ人数だけ集まっています。男子が2人帰り、女子が4人来たので、男子の人数と女子の人数の比は3:5になりました。はじめに男子は何人いましたか。
はじめに「男子と女子が同じ人数」いたから男子が①人、女子も①人いたとする。
- ここに「男子が2人帰り、女子が4人来た」とき、男子は(①-2)人、女子は(①+4)人になる
- このとき「男子の人数と女子の人数の比は3:5」より (①-2):(①+4)=3:5
この比例式を解くと「内項の積=外項の積」だから
(①+4)×3=(①-2)×5 より ③+12=⑤-10 だから ①=11人
よってはじめにいた男子①は11人
その2(森村学園2023第2回)
はじめ、箱Aと箱Bそれぞれにお金が入っています。箱Aから100円取り出すと、箱Aと箱Bに入っている金額の比は9:10になり、さらに箱Bから100円取り出すと、箱Aと箱Bに入っている金額の比は6:5になります。はじめに箱Aに入っていたお金はいくらですか。
箱Aから100円取り出すと「箱Aと箱Bに入っている金額の比は9:10に」なった。そのあとは箱Bから100円取り出しただけなので箱Aの金額はこの「9」から変わってない。
つまり最後に「箱Aと箱Bに入っている金額の比は6:5に」なったときの「6」と途中で9:10になったときの「9」は同じ金額。
そこで比のこの部分を(6と9の最小公倍数である)18にそろえて比合わせすると
「箱Aから100円取り出すとA:B=⑱:⑳になり、さらに箱Bから100円取り出すと⑱:⑮になった」ということ。
このBの部分の差⑤(=⑳-⑮)が箱Bから取り出した100円だから①=20円。
よってはじめに箱Aに入っていたお金は
⑱+100=360+100=460円
その3(昭和学院秀英2023)
ある中学校の昨年度の生徒数は一昨年度よりも12%増え、今年度は昨年度より5%減ったため、今年度の生徒数は一昨年度の生徒数よりも32人増えました。今年度の生徒数は▢人です。
一昨年度の生徒数を100とすると
- 「昨年度の生徒数は一昨年度よりも12%増え」たから112
- 「今年度は昨年度より5%減った」から112×(1-0.05)=106.4
そして「今年度の生徒数は一昨年度の生徒数よりも32人増え」たから生徒数の差6.4(=106.4-100)が32人とわかり 1=5人
よって今年の生徒数は 5×106.4=532人
硬貨の枚数(森村学園2023)
100円玉と500円玉が合わせて87枚あり、100円玉と500円玉それぞれの合計金額の比は5:4です。100円玉は全部で何枚ありますか。
100円玉と500円玉の比を考えると
- 「合計金額の比は5:4」
- 1枚の金額の比は 100:500=1:5
- とすると枚数の比は (5÷1):(4÷5)=5:0.8=25:4
よって「合わせて87枚」あるから百円玉は
87÷(25+4)×25=75枚
その5(関東学院中2023B)
あるチームがバスケットボールの第1試合で、1点入るフリースローと2点シュートと3点シュートを合計で40本決めて、74点とりました。第2試合では第1試合よりフリースローが3本多く決まり、2点シュートは第1試合と同じで、3点シュートは2点シュートの半分だけ決めたので、得点は変わりませんでした。このとき、第1試合で決めた2点シュートの本数は何本ですか。
「第2試合では第1試合よりフリースローが3本多く決まり、2点シュートは第1試合と同じ」だったのに得点は同じだった。とすると(3点シュート1本は「1点入るフリースロー」3本と同じ点数だから)第1試合では第2試合より3点シュートが1本多く決まったことがわかる。
そこで第2試合で決めた3点シュートを①本とすると
- 第1試合での3点シュートは(①+1)本
- 第2試合では「3点シュートは2点シュートの半分だけ決めた」こと、「2点シュートは第1試合と同じ」だったことから2点シュートは2試合とも②本
- フリースローは第1試合が(39-③)本(合計40本になるように逆算)で第2試合はこれより3本多い(42-③)本
ここで第2試合の合計点74点(「第2試合では第1試合より…ので、得点は変わりませんでした」)がわかっているから
(42-③)×1+②×2+①×3=74 より ④=32 だから ①=8本
よって第1試合で決めた2点シュートの本数②は 8×2=16本