以前の記事の続きです。
3つのものの関係を連比を使って考えさせる問題としてほかに次のような出題例があります。
3人の所持金(大宮開成2023)
A、B、Cの所持金は、CはAの60%であり、Aの²⁄₇とBの⁵⁄₆が等しいです。A、B、Cの所持金の比を最も簡単な整数の比で答えなさい。
「CはAの60%」より A:C=100:60=5:3
また「Aの²⁄₇とBの⁵⁄₆が等しい」からその逆比を考えて A:B=⁷⁄₂:⁶⁄₅=35:12
よってAを35でそろえて比合わせすると
A:B:C=35:12:21
3種類の商品①(山脇2023算数)
異なる3つの品物の値段はそれぞれA円、B円、C円で、値段の比はA:B=4:5、B:C=3:2です。3つの品物の値段の平均が370円のとき、1番高い品物は何円ですか。
「値段の比はA:B=4:5、B:C=3:2」にある2つの比に共通するBの合計が15(5と3の最小公倍数)になるように比合わせすると(前の比を×3、後の比を×5して)A:B:C=12:15:10
この平均は (12+15+10)÷3=³⁷⁄₃。これが「3つの品物の値段の平均が370円」とわかっているから³⁷⁄₃=370円より1=30円
よって1番高い品物はBなのでその値段15は
30×15=450円
3人のお金のやり取り①(法政中2023)
▢円をAさん、Bさん、Cさんの3人に9:6:5の割合で分けたところ、AさんとBさんの金額の差は、BさんとCさんの金額の差より2000円多くなりました。
「9:6:5」という比を考えて3人の合計金額を⑳とする。
このとき「Aさん、Bさん、Cさんの3人に9:6:5の割合で分けた」から「AさんとBさんの金額の差」は⑨-⑥=③、「BさんとCさんの金額の差」は⑥-⑤=①。
この差②が2000円だから3人の合計金額⑳は
2000×10=20000円
3人のお金のやり取り②(国府台女子2023第2回)
兄、姉、妹の所持金の比は4:2:1です。姉から妹に200円わたすと、姉と妹の所持金の比は3:2になります。兄の所持金は▢円です。
「姉から妹に200円わたす」とき姉妹の合計金額は変わらないことを考えると
- 「兄、姉、妹の所持金の比は4:2:1」のとき姉妹の所持金の合計は2+1=3
- 「姉と妹の所持金の比は3:2」のとき姉妹の所持金の合計は3+2=5
- これらの比の合計が15でそろうように比合わせすると
- わたす前…兄:姉:妹=4:2:1=20:10:5
- わたした後…姉:妹=3:2=9:6
よって 1=200円 となっているから兄の所持金20より
▢=200円×20=4000円
3種類の商品②(東京農大一中2023)
ある商店では、3種類の商品A、B、Cを売っています。AとBの商品の値段の和はCの3個分の値段より500円高いです。来月から商品の値段がすべて100円ずつ上がり、AとBとCの値段の比は4:3:2となります。現在のAの値段はいくらですか。ただし、消費税は考えないものとします。
「来月から…AとBとCの値段の比は4:3:2と」なる。来月からの商品の値段をA=④、B=③、C=②とすると、いまの値段は「商品の値段がすべて100円ずつ上が」る前だから
A=④-100、B=③-100、C=②-100
ここで「AとBの商品の値段の和はCの3個分の値段より500円高い」から
④-100+③-100=(②-100)×3+500
より ⑦-200=⑥+200 だから①=400円
よって現在のAの値段は
④-100=1600-100=1500円
3つの人口密度(洗足学園2023第3回)
ある市は、A区、B区、C区の3つに分かれています。A区、B区、C区について、人口の比は7:5:8で、面積の比は5:4:3です。この市全体の人口密度が1㎢あたり8800人だとすると、A区の人口密度は1㎢あたり何人ですか。
A区の人口密度を1㎢あたり▢人とすると
- 「A区、B区、C区について、人口の比は7:5:8で、面積の比は5:4:3」
- 「人口密度=人口÷面積」で求められるから、市全体の人口密度を(7+5+8)÷(5+4+3)=²⁰⁄₁₂=⁵⁄₃ とするとA区の人口密度は 7÷5=⁷⁄₅
- 実際は「市全体の人口密度が1㎢あたり8800人」なので比例式にすると ⁵⁄₃:⁷⁄₅=8800:▢ が成り立つ
よって ▢=8800×⁷⁄₅÷⁵⁄₃=8800ײ¹⁄₂₅=7392人