以前の記事の続きです。
相当算や倍数算の練習問題では2人のやり取りをあつかうものが多いですが、実際の入試では3人のやり取りを問題にするものもそこそこ出題されています。
人数がふえると線分図での対応も難しくなるため、比を使った解法にも慣れておきたいところです。
その1（洗足学園2023帰国）
2023枚のカードを、Aさん、Bさん、Cさんの3人で次のように分けます。
・Bさんの枚数はAさんの枚数の⅓よりも30枚多い。
・Cさんの枚数はBさんの枚数の7割より2枚少ない。
このとき、Cさんのカードの枚数は何枚ですか。
Bさんの枚数を⑩枚とすると
- 「Bさんの枚数はAさんの枚数の⅓よりも30枚多い」＝「Bさんの枚数を30枚少なくして3倍するとAさんの枚数」だからAさんの枚数は (⑩－30)×3
- 「Cさんの枚数はBさんの枚数の7割より2枚少ない」からCさんの枚数は⑦－2
カードはぜんぶで2023枚だから
⑩+(⑩－30)×3+⑦－2＝2023 より
㊼－92＝2023 だから ㊼＝2115 で ①＝45
よってCさんの枚数は 45×7－2＝313枚
その2（昭和学院2023）
昭子さん、学さん、和也さんの3人がお金を出し合って、プレゼントを買いました。最初、昭子さんは学さんより600円多く払い、学さんは和也さんが出した代金の2倍より200円多く払いました。しかし、プレゼントの値段に3人が出し合ったお金では300円足りなかったので、全員が100円ずつ追加して払いました。その結果、昭子さんと和也さんの支払った代金の比が3：1になりました。3人が買ったプレゼントの値段を求めなさい。
和也さんが最初に出した代金を①円とする。このとき
- 最初「学さんは和也さんが出した代金の2倍より200円多く」払ったから学さんが出したのは②+200円
- 最初「昭子さんは学さんより600円多く」払ったから昭子さんが出したのは②+800円
- その後「100円ずつ追加して」払ったから最終的に払ったのは和也さんが①+100円、学さんが②+300円、昭子さんが②+900円
こうして「昭子さんと和也さんの支払った代金の比が3：1」となったから
(②+900)：(①+100)＝3：1 より
③+300＝②+900 だから ①＝600
よってプレゼントの値段は
(①+100)+(②+300)+(②+900)＝⑤+1300＝4300円
その3（フェリス2023）
3人の姉妹がそれぞれの貯金箱のお金を出しあって母の誕生日プレゼントとケーキを買いに行きました。はじめにプレゼント代を支払うのに長女のお金の37.5%、次女のお金の50%、三女のお金の45%を出しあいました。次に、ケーキを買うのに長女の残金の62.5%と、次女の残金の40%を出しあいました。最終的に三女の残金は長女の残金より一割多く、次女の残金は長女の残金と等しくなりました。
長女と次女と三女が出したプレゼント代を最も簡単な整数の比で表すと［ア］：［イ］：［ウ］です。
連比を使うと条件整理しやすい。最初に持っていたお金を「所持金」、プレゼントを買った後の残金を「残金①」、最終的に残った残金を「残金②」とすると
- 長女…「はじめにプレゼント代を支払うのに長女のお金の37.5%」を使ったから所持金と残金①の比は 100：62.5＝8：5。「次に、ケーキを買うのに長女の残金の62.5%」を使ったから残金①と残金②の比は 100：37.5＝8：3。比合わせすると所持金：残金①：残金②＝64：40：15
- 次女…プレゼント代で「次女のお金の50%」を使ったから所持金と残金①の比は 100：50＝2：1。ケーキ代で「次女の残金の40%」を使ったから残金①と残金②の比は 100：60＝5：3。比合わせすると所持金：残金①：残金②＝10：5：3
- 三女…プレゼント代で「三女のお金の45%」を使ったから所持金と残金①の比は 100：55＝20：11。ケーキ代は出していないから残金①と残金②の比は 1：1。比合わせすると所持金：残金①：残金②＝20：11：11
こうして「最終的に三女の残金は長女の残金より一割多く、次女の残金は長女の残金と等しく」なったから3人の残金②の比は10：10：11。
3人の残金②をこれにそろえると長女が128：80：30、次女が100：50：30、三女が60：33：33。
よって3人が出したプレゼント代の比は (128－80)：(100－50)：(60－33）＝48：50：27 とわかり ア＝48、イ＝50、ウ＝27 
