ドットプロットと代表値⑥ | 受験算数はきょうもおもしろい

以前の記事の続きです。

平均値、中央値、最頻値などを取り上げた入試問題の第6弾です。

 

  中央値と最頻値(豊島岡2023第3回)

 

次の10個のデータについて、中央値と最頻値をそれぞれ求めなさい。
   5, 2, 4, 1, 2, 2, 3, 5, 4, 2

 

右矢印 小さい順に並べかえると

 1, 2, 2, 2, 2, 3, 4, 4, 5, 5

このとき

  • 中央値(資料の値を大きさの順に並べたとき真ん中にくる値)データの数が偶数のときは中央の2つの値の平均値となる。ぜんぶで10個だから、小さい方から5番目(2)と6番目(3)を平均して 2.5
  • 最頻値(資料の中で最も多く出てくる値)は 2

 

 

  平均値と中央値①(名古屋経済大学市邨中2023A)

 

ある小学校の図書室では、1日に貸し出した本の冊数を記録しています。下の表は、ある週の月曜日から金曜日までの5日間の記録をまとめたものです。ところが、このうち1日だけ記録がまちがっていることが分かり、正しい記録のもとでは、中央値が25冊、平均値が27.4冊になりました。このとき、まちがっていた曜日とその曜日の正しい記録をそれぞれ求めなさい。

 

 

右矢印 まず「貸し出した冊数」の合計に注目すると

  1. いま合計は 21+25+29+32+36=143冊
  2. 正しい合計は「平均値が27.4冊」だから 27.4×5=137冊
この6冊多すぎる分をどこかの曜日から引く必要がある…❶
 
つぎに「中央値が25冊」に着目するとこれは火曜日のデータ。これが中央値だとするとこれより小さいデータが2つあるはずだがいまこれより小さいものは月曜日(21冊)の1つだけ。
そこで火曜日のデータを中央値にするにはこれより大きいデータ3つ(水曜日29冊、木曜日32冊、金曜日36冊)のうちどれかを火曜日より小さくする必要がある…❷
 
この❶❷の条件を同時にみたすには水曜日にある「29冊」を「23冊」にへらすことが必要。

よってまちがっていた曜日は水曜日で正しい記録は23冊

 

 

  平均値と中央値②(暁星国際2023)

 

下の表はある25人のクラスの小テストの結果です。ただし、5点と6点の人数がぬけています。

また、点数を低い順に並べた時の真ん中の値を中央値といいます。例えば、
  1, 2, 3, 3, 4
の中央値は3です。
⑴ 平均点が5.2点のとき、6点の人数を求めなさい。

 

右矢印25人のクラス」で「平均点が5.2点」のとき合計点は 5.2×25=130点

 

人数がわかっているところの合計点を出すと

 0×1+1×1+2×2+3×2+4×3+7×3+8×1+9×2+10×1

=0+1+4+6+12+21+8+18+10=80点 

とすると5点と6点の人の合計点は 130-80=50点 とわかる。

 

また人数がわかっているところの合計人数は

 1+1+2+2+3+3+1+2+1=16人

だから5点と6点の人数は 25-16=9人

よって9人の得点合計50点となるところをつるかめ算で見つけると 5点×4人+6点×5人=50点 だから6点の人数は 5人

 

⑵ 中央値が6点のとき、6点の人数は何人以上何人以下ですか。

 

右矢印25人のクラス」なので(上から数えても下から数えても)13番目の人が6点となればよい。

いま4点以下に1+1+2+2+3=9人がおり、7点以上に3+1+2+1=7人がいる。とすると5点と6点の人数は合計9人

  • 6点の人数が最大となるのは13番目の人をふくむ9人全員が6点だったとき(下図の上のパターン)
  • 6点の人数が最小となるのは下から12番目の人までが5点で13番目の人から6点のとき(下のパターン)

よって6点の人数は 6人以上9人以下 完了