以前の記事の続きです。
食塩水以外でも「…を混ぜるとどうなるか」を考えさせる問題がちらほら出題されています。いくらでも問題が作れてしまうので決まった解き方もなく、比や濃度算の考え方を使いながらその場で解いていくこととなります。
たとえばこういう問題です。
K食品では、甘味、旨味、塩味の粉を配合した商品を販売しています。その商品は、A、B、Cの3種類あり、それらの配合比は次の表の通りです。
これら3種類の商品をさらに混ぜ合わせて、独自の調味料を作ります。(海城2023第2回)
⑴ AとBを50gずつ混ぜてできる調味料の甘味、旨味、塩味の配合比を最も簡単な整数の比で求めなさい。
表をみるとAとBは比の合計8でそろっているから、同じ量ずつ混ぜたときのそれぞれの配合比はそのままたし算したものになる。
よって 甘味:旨味:塩味= (4+3):(3+2):(1+3)=7:5:4
⑵ Aを80g、Bを40g、Cを100gずつ混ぜてできる調味料の甘味、旨味、塩味の配合比を最も簡単な整数の比で求めなさい。
表をみるとCだけは比の合計10になっている。これをAとBにあわせて比の合計8にする。0.8倍して合計をそろえると
1×0.8:5×0.8:4×0.8=0.8:4:3.2
これで修正した次の比を使って「Aを80g、Bを40g、Cを100gずつ」混ぜたときの配合量をそれぞれ計算すると
- 甘味…80×4+40×3+100×0.8=320+120+80=520
- 旨味…80×3+40×2+100×4=240+80+400=720
- 塩味…80×1+40×3+100×3.2=80+120+320=520
よって甘味:旨味:塩味=520:720:520=13:18:13
⑶ ⑵の分量で調味料を作ろうとしたときに、ある一つの商品を多く入れてしまいました。その結果、甘味、旨味、塩味の配合比が4:5:4となりました。まちがえて多く入れた商品はA、B、Cのうちどれですか。また、その入れた量は何gですか。
まちがえて多く入れた商品
できる予定だった配合比13:18:13と実際にできた「配合比4:5:4」を見くらべるとどちらも甘味と塩味が同じ配合比になっている。
とするとA、B、Cのうちまちがえて多く入れても甘味と塩味の配合比が変わらないものをさがすと(配合比3:2:3の)Bだけ。
よってまちがえて多く入れた商品は B
入れた量
Bを①gだけ多く入れすぎたとすると甘味は③、旨味は②、塩味は③だけ多く入ったこととなる。
このときまちがってできた調味料の中身は(小問⑵で出た甘味:旨味:塩味=520:720:520をそのまま使って)
甘味:旨味:塩味=(520+③):(720+②):(520+③)
と表せる。これが「4:5:4」なので最初の2つだけ取り出した比例式
(520+③):(720+②)=4:5
を「内項の積=外項の積」を使って解くと
2880+⑧=2600+⑮ より
⑦=280 だから ①=40
よってBを40g多く入れすぎたとわかるので、実際に入れた量は
40+40=80g