以前の記事の続きです。
回転体の体積を求める問題の第7弾です。
回転させる形がバラバラ(日本大学中2023)
右の図のような1辺が1cmの正方形が集まった図形において、ある直線を軸として1回転させ、▩色の部分が通過してできる立体をつくります。 このとき、次の各問いに答えなさい。 ただし、円周率は3.14とします。
⑴ 直線ABを軸とすると、立体の体積は何cmですか。
いまの形(下図①)は②や③のように変えても直線ABを軸として回転させたときの立体の形は変わらない。
そこで③の形で考えるとできあがる立体は大きい円柱(半径3㎝、高さ6㎝)から小さい円柱(半径2㎝、高さ4㎝)を引いた形だから
3×3×3.14×6-2×2×3.14×4=(54-16)×3.14=38×3.14=119.32㎤
⑵ 直線CDを軸とすると、立体の体積は何cmですか。
いまの形(下図①)は②のように変えても直線CDを軸として回転させたときの立体の形は変わらない。
そこで②の形で考えるとできあがる立体は半径5㎝の円柱2つと半径4㎝の円柱1つ(高さはどちらも1㎝)だから
5×5×3.14×1×2+4×4×3.14×1=66×3.14=207.24㎤
立体図形の回転体① (東京都市大学付属2023第2回)
下の図のように1辺が5cmの立方体が8個すき間なく重なってできた立体Sがあります。円周率を3.14として、あとの問いに答えなさい。
問1 この立体Sを、図の点Aと点Bを結んだ直線を軸にして1回転させたとき、できた立体の体積は何㎥ですか。
立体Sを直線ABを軸にして1回転させてできる立体とは下図の長方形(青)を回転させた立体を考えればよい。
これを回転させると底面がAEを半径とする円で高さがABの円柱になるからその体積は AE×AE×3.14×AB で求められる。
そしてAEの長さはわからないがAE×AEなら
AE×AE÷2=5×5=25 より AE×AE=50㎠
とわかっている。
よって 50×3.14×10=1570㎤
問2 この立体Sを、図の3点C、D、Eを通る平面で2つに切り分け、体積が小さい方の立体を、点Aと点Bを結んだ直線を軸にして1回転させます。このとき、できた立体の体積は何㎥ですか。
「体積が小さい方の立体」とは次の青い三角柱のこと。これを1回転させてできる立体とは直角三角形(黒)を回転させた立体を考えればよい。
これを回転させると①底面がAEを半径とする円で高さがABの円柱から②これにすっぽりおさまる円すい(その体積は①×⅓)を取り除いた立体になるからその体積は AE×AE×3.14×AB×⅔ で求められる。
よって求める体積は
50×3.14×10×⅔=³¹⁴⁰⁄₃㎤
立体図形の回転体②(高輪中2023)
図1は、対角線の長さが2cmの正方形を底面とする、高さが3cmの直方体①、②、③、④、⑤の計5個を組み合わせた立体です。次の各問いに答えなさい。
⑴ 図1の立体の体積は何㎤ですか。
直方体①は、底面積が2×2÷2=2㎠、高さが3㎝だからその体積は 2×3=6㎤。
これと同じ体積のものが5コあるから 30㎤
⑵ 図2のように、図1の立体を2点A、Bを通る直線𝓵のまわりに1回転させました。できた立体の体積は何㎤ですか。
下図にある長方形(底辺は直方体①と③の底面の正方形の対角線の和で4㎝、高さはABで3㎝)を回転させた立体と考えればよい
よって 4×4×3.14×3=150.72㎤
⑶ 図3のように、図2の立体から直方体③、④、⑤の計3個を取り除き、直線𝓵のまわりに1回転させました。できた立体の体積は何㎤ですか。
回転してできる立体の底面は次のようなドーナツ型(青)になっている。
内側の白い円の半径は直方体③の底面の正方形の1辺の長さ。その長さはわからないがこの正方形の面積なら 2×2÷2=2㎠ とわかっているから、これを底面とする円柱の体積は
2㎠×3.14×3㎝=18.84㎤
よって全体の大きい円を底面とする円柱の体積は150.72㎤(小問⑵)だったから
150.72-18.84=131.88㎤