以前の記事の続きです。
問題文はあっさりしていますが正しく調べ上げて正解にたどりつくのはなかなか大変という問題です。
次の【条件】をみたす整数について考えます。
【条件】3けたの整数のなかで、各位のいずれかに1が入っていること
例えば、123や511は【条件】をみたしています。(開智2023先端A)
⑴【条件】をみたす数はいくつありますか。
余事象で考えると
①3けたの整数は100から999までぜんぶで900コ
②このうち1が入っていない数の個数を調べると
- 百の位は0、1以外の8通り
- 十の位は1以外の9通り
- 一の位も1以外の9通り
あるからぜんぶで 8×9×9=648コ
よって条件をみたす数の個数は
①-②=900-648=252個
⑵【条件】をみたす奇数はいくつありますか。
同じく余事象で考えると
①3けたの整数は100から999までぜんぶで900コ。ここには偶数と奇数がちょうど半分ずつあるから奇数はぜんぶで450コ。
②このうち1が入っていない奇数の個数を調べると
- 一の位は3、5、7、9の4通り
- 十の位は1以外の9通り
- 百の位は0、1以外の8通り
あるからぜんぶで 4×9×8=288コ
よって条件をみたす奇数の個数は
①-②=450-288=162個
⑶【条件】をみたす、すべての奇数の和とすべての偶数の和を考えます。このとき、奇数の和の方が、偶数の和より▢だけ大きいです。▢にあてはまる数を答えなさい。
偶数と奇数の差だけわかればいい問題なので工夫をしながら調べていくと
百の位が1の数(100~199)
- たとえば100から109まで10コずつ横に書いていくと奇数101には偶数100、奇数103には偶数102のように、差が1のペアが5組できている。とするとこの段(100の段)の差は5
- 同じように110の段(110~119)から190の段(190~199)までそれぞれ5の差ができている
- よって差が5の段が10段ある
百の位が2以上の数(200~999)
❶まず百の位が2の数(2XX)を考えると
- 210の段(210~219)だけ同じように偶数と奇数のペアができており差が5の段が1段だけある
- それ以外に201から291までのタテの列もまた条件をみたす奇数となる。しかしこのタテの列にはペアになる偶数がないのでそのままタテに足していくこととなる。ただしこれだと211を2回数えてしまうので最後に211を引く
❷同じように百の位が3の数(3XX)についても調べると
- 310の段(310~319)だけ同じように偶数と奇数のペアができており差が5の段が1段だけある
- それ以外に301から391までのタテの列もまた条件をみたす奇数となる。しかしこのタテの列にはペアになる偶数がないのでそのままタテに足していくこととなる。ただしこれだと311を2回数えてしまうので最後に311を引く
規則性
こうして見つかった規則性をまとめると
- 10コずつ横に書いていくと偶数と奇数のペアができているものがぜんぶで18段(100~199で10段、200~999で8段)ある。ここでできる差が 5×18=90…㋐
- それ以外に201から991までのタテの列も条件をみたす奇数となる。この列にはペアになる偶数がないのでそのままタテに足していくと(差が10の等差数列だから等差数列の和の公式を使って) (201+991)×80÷2=47680…㋑
- ただしこれだと211、311、…、911を2回ずつ数えておりこの1回分を引かないといけない。その和は (211+911)×8÷2=4488…㋒
よって ▢=㋐+㋑-㋒=90+47680-4488=43282