学習教材に使わないのはもったいない入試問題(整数の個数②) | 受験算数はきょうもおもしろい

以前の記事の続きです。

 

ほかにも整数の個数を扱った入試問題でそのまま教材として使えそうなものがあります。

たとえば次の問題。

 

AさんとBさんが数の個数を数える研究をしています。[ア]〜[力]に正しい数字を入れなさい。(カリタス女子2022・第2回)

Aさん「2桁の整数を考えるよ。十の位とーの位を足すと5になる数は何個あるかな?」
Bさん「簡単だ。えーと、14、23、32…だから全部で[ア]個だね。」

 

右矢印 14、23、32、41、50の 5個

 

Aさん「そうだね。では、次に3桁の整数を考えるよ。百の位と十の位とーの位を足すと5になる数は何個あるかな?」
Bさん「ちょっと大変だな。えーと 104、113、122、131、140、203…で全部で[イ]個かな。」

 

右矢印 104、113、122、131、140、203、212、221、230、302、311、320、401、410、500の 15個

 

Aさん「正解!では、次に4桁の整数を考えるよ。千の位と百の位と十の位とーの位を足すと5になる数は何個あるかな?」
Bさん「うーん…」
Aさん「3桁の時を参考に規則性を見つけてみよう。百の位が1のときは残り4を十の位とーの位で振り分けている、「0と4」の場合が順序を変えて2個、「1と3」の場合も同じく2個、「2と2」の場合は1個で、百の位が1のときは計5個と考える。同じように百の位が2のときは残り3を十の位とーの位で振り分けている。この考え方だと、4桁の整数の場合は
 千の位が1のときは、[ウ]個
 千の位が2のときは、[エ]個
 千の位が3のときは、[オ]個
 千の位が4のときと、千の位が5のときも同じように考えて
 すべて加えると、計[力]個となる。」
Bさん「なるほど。見方を変えると数えやすくなるんだね。」

 

右矢印 会話文の誘導にのって考えてみる。

 

[ウ]千の位が1のときは残り4を百の位、十の位、ーの位で振り分けているから、以下の❶~❺の合計で15個

 ❶百の位が0のとき→残り4を十の位とーの位で振り分けている。これは1ではじまる3桁の整数のときと同じなので5コ。

 ❷百の位が1のとき→残り3を振り分けているから、2ではじまる3桁と同じ4コ。

 ❸百の位が2のとき→残り2を振り分けているから、3ではじまる3桁と同じ3コ。

 ❹百の位が3のとき→残り1を振り分けているから、4ではじまる3桁と同じ2コ。

 ❺百の位が4のとき→残りは「00」しかないから、5ではじまる3桁と同じ1コ。

 

[エ]千の位が2のときも同じように考えて、残り3を百、十、ーの位で振り分けているから、2、3、4、5ではじまる3桁の整数の合計と同じく10個

 

[オ]千の位が3のときは3、4、5ではじまる3桁の整数の合計と同じく6個

 

千の位が4のときは4、5ではじまる3桁の整数の合計と同じく3コ

千の位が5のときは5ではじまる3桁の整数の合計と同じく1コ

 

以上の合計で[力]=35個 完了

 

 

ここまでを「前の場合の利用」のところで使った表の形にすると次のとおりとなります(矢印は足し算の一例。5けたの整数は参考まで)。