推理算2023④ | 受験算数はきょうもおもしろい

以前の記事の続きです。

 

今年出題された推理算の第4弾です。

 

  その1(東京都市大学付属2023帰国)

 

1⃣、2⃣、3⃣、4⃣、5⃣、6⃣、7⃣、8⃣、9⃣の9枚のカードがあります。これを、Aさん、 Bさん、Cさんの3人に1人3枚ずつ配りました。配られたカードについて次のことがわかっています。
 Ⅰ  8⃣のカードはAさんに配られました。
 Ⅱ  Bさんに配られたカードの3つの数字をすべてたすと、18になります。 
 Ⅲ  Cさんに配られたカードの3つの数字をすべてかけると、24になります。
このとき、いくつかの場合が考えられますが、Bさんが必ず持っているカードの数字は▢です。

 

右矢印Cさんに配られたカードの3つの数字をすべてかけると、24」を手がかりにする。

 24=2×2×2×3

だからCさんは3か6のどちらかを持っている。場合分けして考えると

  • Cさんが3を持っている場合…積が24となる組は(1,3,8)か(2,3,4)。しかし「8⃣のカードはAさんに」あるから(2,3,4)だけ
  • Cさんが6を持っている場合…積が24となる組は(1,4,6)だけ

次にBさんのカード(「3つの数字をすべてたすと、18」)について考える。Cさんのカードが①(2,3,4)の場合と②(1,4,6)の場合に分けて考えると

  • Cさんが(2,3,4)の場合…「8⃣のカードはAさんに」あるからBさんのカードとしてあと可能性がある数は1,5,6,7,9。このうち和が18となる組は(5,6,7だけ
  • Cさんが(1,4,6)の場合…Bさんのカードとしてあと可能性がある数は2,3,5,7,9。このうち和が18となる組は(2,7,9)だけ

どちらの場合でもBさんが必ず持っているのは 7

 

 

  その2(公文国際2023B)

 

5つの正方形が横に並んでいます。この5つの正方形を赤・青・緑・黄・黒の5色で塗ります。以下の条件で色を塗るとき、一番右の正方形は何色ですか。
・青は、赤と黄よりも左側にある。
・赤と黄はとなり合わない。
・真ん中は緑ではない。
・黒は、緑とはとなり合うが、赤とはとなり合わない。

 

右矢印 条件に㋐から㋓の記号をつけると

㋐㋑より青、赤、黄の並びは次の8パターンのどれか(5つの正方形を左から❶❷❸❹❺とし、色がまだ決まらないところはこの番号を使う)

  1. ❶青赤❹黄
  2. ❶青黄❹赤
  3. 青❷赤❹黄
  4. 青❷黄❹赤
  5. 青赤❸黄❺
  6. 青赤❸❹黄
  7. 青黄❸赤❺
  8. 青黄❸❹赤

このうち

  • ㋓「黒は、緑とはとなり合う」ので上の6か8のどちらかにしぼられる(この時点で❶=青に決まる)
  • ㋒「真ん中は緑ではない」から❸=黒、❹=緑に決まる
  • ㋓「黒は…赤とはとなり合わない」から6の可能性は消えて8に決まる(❷=黄、❺=赤とすべて決まる)

よって一番右の正方形は

 

 

  その3(四天王寺中2023)

 

正六角形のテーブルに、6つのいすがあり、A、B、C、D、E、Fの6人が座りました。このとき、6人は次のような発言をしま した。[ア]、[イ]、[ウ]にAからFのいずれかを入れなさい。[イ]と[ウ]の順番はどちらでもかまいません。

A:「わたしの正面は、Cさんでした。」
B:「わたしのとなりにFさんがいました。」
C:「Eさんの正面は、Fさんでした。」
D:「わたしのとなりにAさんはいませんでした。」
E:「Dさんの正面は、[ア]さんでした。」
F:「Eさんのとなりは、[イ]さんと[ウ]さんでした。」

 

右矢印 Aの正面はC(A発言)、Eの正面はF(C発言)より、Bの正面はDと決まるから ア=B

 

正面どうしのBとDの場所を上と下に決めて考えると

BのとなりはFだから(B発言)❶Bの右となりがFの場合と❷Bの左となりがFの場合とに場合分けしてみる。

 

するとFの正面はE(C発言)でDのとなりはAではない(D発言)からその並び順はそれぞれ次のように決まる。

どちらのパターンも条件に合うがどっちにしてもEのとなりはAとDだから[イ]=Aさん、[ウ]=Dさん(またはその逆)完了