売買損益2023④ | 受験算数はきょうもおもしろい

以前の記事の続きです。

 

売買損益の2023年出題例の第4弾です。

 

  その1(神奈川大学附属2023第2回)

 

花子さんは1個の仕入れ値が600円のマグカップを30個仕入れ、仕入れ値の4割の利益を見込んで定価をつけて売りました。しかし、仕入れた個数の半分のマグカップしか売れなかったため、残りのマグカップは定価の2割引きで売ることにしました。
① 値引き後のマグカップ1個の値段は何円ですか。

 

右矢印1個の仕入れ値が600円のマグカップ」に「仕入れ値の4割の利益を見込んで定価をつけ」その後「定価の2割引きで」売ったから

 600×1.4×0.8=672円

 

② 花子さんが損をしないためには、値引きしたマグカップを少なくとも何個売る必要がありますか。

 

右矢印1個の仕入れ値が600円のマグカップを30個仕入れ」たから仕入金額は600×30=18000円

 

そこで売上金額が同じ18000円になる(これだと「損をしない」)ところをまずさがすと

  • 定価840円(=600×1.4)で「仕入れた個数の半分」が売れたから 840×15=12600円…①
  • 値引き後の価格672円で□個売ると円…②

したがって①②の合計がちょうど18000円となるような個数▢は 12600+=18000 より ▢=5400÷672=225÷28=8.03… 

 

よって損をしないためには少なくとも 9個 売る必要がある。

 

 

  その2(麗澤中2023)

 

100個の品物を定価150円で売ったところ、25個売れ残ったので、その25個は定価の▢%引きで売りました。そのため、売り上げはすべて定価で売ったときよりも750円減少しました。

 

右矢印100個の品物を定価150円で」すべて売る予定だった。このとき予定していた売上は15000円(=150×100)

  1. 実際はこれより「750円減少」したから実際の売上は14250円(=15000-750)
  2. 100個の品物」のうち「25個売れ残った」から75個は定価で売れたので定価での売上は11250円(=150×75)
  3. したがって値引き額での売上は3000円(=14250-11250)。これが25個分だから1個あたり120円(=3000÷25)で売った

よって 120÷150=0.8 より、25個は定価の20%引きで売った

 

 

  その3(跡見学園2023特待第4回)

 

ある商品を定価の2割引きで売ると240円の黒字で、3割引きで売ると40円の赤字になりました。この商品の仕入れ値はいくらですか。

 

右矢印 定価100円として考える。

利益=売上-仕入」より

  • 定価の2割引きで売ると240円の黒字」だから 80-仕入=240
  • 3割引きで売ると40円の赤字」だから 仕入-70=40
これらの式を足すと「仕入」が消えて
 8070=280 より 10=280円
 
よって仕入れ値は 80-240=2240-240=2000円
 
 

  その4(攻玉社2023算数)

 

「売られている価格を変えずに、品物の量だけを減らす」という値上げのしかたがあります。例えば、袋詰めで売られている食品について、価格を変えずに袋の中の量を▢倍にすると、「23%の値上げ」になります。(分数で答えなさい。ただし、袋の価格は考えないものとします。)

 

右矢印 たとえばいま100g入りの食品を100円で売っているとする。このとき1gあたり1円。

 

これを「23%の値上げ」をするには1gあたり1.23円にすればよい。このとき値段が100円になるような量○gをさがすと

 1g:1.23円=○g:100円より

 ○=¹⁰⁰⁰⁰⁄₁₂₃g

 

これをもとの量100gと比べると

 ¹⁰⁰⁰⁰⁄₁₂₃÷100=¹⁰⁰⁄₁₂₃倍 完了