バスの旅人算 | 受験算数はきょうもおもしろい

以前の記事の続きです。

 

人間どうしでない旅人算の問題として、ほかにもバスどうしの旅人算が出されることもあります。

今年の入試問題だと次のようなものがあります。

 

  その1(立教池袋2023)

 

2台のバスA、Bが、下のグラフのように4.2km離れたP駅とQ駅の間を運行していました。どちらのバスも一定の速さで走り、速さの差は時速14kmでした。
また、P駅とQ駅やその間にある停留所で、バスA、Bは同じ時刻に1分間停車していました。

次の問いに答えなさい。
1) バスBがP駅を出発してQ駅に到着するのに、停留所で停車した時間も含めて、何分かかりましたか。

 

 

右矢印 グラフを見ると、バスAがPQ間を1.5往復するのとちょうど同じ時間でバスBが1往復している。

  1. 停留所で「1分間停車」するのは一緒だからこれは考えなくていいので、バスAとバスBの速さの比は進んだ距離の比と等しいから③:②
  2. この差①が「速さの差は時速14km」だから、実際の速さはバスAが14×3=時速42km、バスBが14×2=時速28km
  3. バスは「4.2km離れたP駅とQ駅の間を運行」するから、時速28kmのバスBがPQ間を走るのにかかる時間は、停留所で停車する時間をひとまず考えないとしたら 4.2÷28=0.15時間=9分
よって停留所で停車した時間を含めると、PQ間で「1分間停車」を2回するからバスBの運行時間は
 9+2=11分

2) バスAとバスBが最初にすれ違うのは、P駅を同時に出発してから何分何秒後でしたか。

 

右矢印 バスAとバスBが最初にすれ違うまでに

  • バスAは③の距離、バスBは②の距離を走る
  • 2台が実際に走った距離の合計はPQ間の距離を2倍した8.4km

とすると ③+②=8.4km より ①=1.68km だから、バスA(時速42km)はバスBと最初にすれ違うまでに 1.68×3=5.04km を走る。バス停の停車時間をひとまず考えないとき、これにかかる時間は

 5.04÷42=0.12時間=7.2分=7分12秒

 

よって、停留所に2回停車する時間2分をこれに足して 9分12秒後

 

 

  その2(三輪田学園2023)

 

駅と学校は10.2km離れています。バスAは駅を出発して学校へ、バスBは学校を出発して駅へ向かいます。駅と学校の間には長いトンネルがあり、どちらのバスもその中を走るときは、外を走るときの半分の速さで走ります。 
Aがトンネルの外を走るときの速さは毎分900mで、AとBは同時に出発します。下の図は、そのときのようすを表したものです。

⑴ トンネルの長さは何mですか。

 

右矢印Aがトンネルの外を走るときの速さは毎分900m」だから、Aがトンネルの中を走るときの速さは「外を走るときの半分の速さ」で毎分450m

 

グラフよりAがトンネルを走ったのは駅を出て6分後から10分後まで4分間

 

よってトンネルの長さは 450×4=1800m

 

⑵ Aが学校に到着するのは、出発してから何分何秒後ですか。


右矢印駅と学校は10.2km離れて」いる。

  1. 1800mのトンネルをAは毎分450mで走るから、これにかかる時間は 1800÷450=4分
  2. トンネル以外の距離は 10200-1800=8400m。これをAは「毎分900m」で走るから、これにかかる時間は

     8400÷900=9⅓分=9分20秒

よってAが学校に到着するのは出発してから

 9分20秒+4分=13分20秒後

⑶ Bがトンネルの外を走るときの速さは毎分何mですか。

 

右矢印 Aは10分後にトンネルを出て13分20秒後に学校に着くから、Aはトンネルから学校まで3分20秒かかる。

 

一方、Bは学校を出てトンネルに着くまで5分かかる。

 

同じ距離を走るのにかかった時間の比は A:B=3分20秒:5分=2:3だから速さの比は時間の逆比で A:B=3:2

 

よってAの速さが毎分900mだからBの速さは

 900×⅔=毎分600m

 

⑷ Bが駅に到着するのは、出発してから何分後ですか。


右矢印駅と学校は10.2km離れて」いる。

  1. 1800mのトンネルをBは 600÷2=毎分300m で走るから、これにかかる時間は 1800÷300=6分
  2. トンネル以外の距離8400mをBは毎分600mで走るから、これにかかる時間は

      8400÷600=14分

よってBが駅に到着するのは出発して 14分+6分=20分後

⑸ AとBがすれ違うのは、出発してから何分後ですか。

 

右矢印 Aがトンネルに入るのは6分後。このときAは駅から5400m(=900×6)のところにいる。

 

一方、同じ6分後だと、Bはトンネルの外を5分、中を1分走ったところなので、学校から

 600×5+300×1=3300m

走ったところ。これは駅からだと 10200-3300=6900m の地点。

 

とすると6分後の2台の距離は1500m(=6900-5400)だから、Aはトンネルに入ってから

 1500÷(450+300)=2分

でBと出会うこととなる。

 

よって 6+2=8分後 完了