以前の記事の続きです。
今年の入試問題より時計算の第3弾です。
その1(女子学院2023)
1日に6分0秒の割合で遅れる時計Aと、1日に一定の割合で速く進む時計Bがあります。
⑴ 時計Aは月曜日の18時00分に□時□分□秒を示しましたが、同じ週の土曜日の10時40分に正しい時刻を示しました。
「月曜日の18時00分」から「同じ週の土曜日の10時40分」まで長さ4日16時間40分。計算しやすいようにこれを3つに分けて考えると
- 月曜18時00分~金曜18時00分のまる4日→「1日に6分0秒の割合で遅れる時計A」なので6分×4=24分遅れる
- 金曜18時00分~土曜10時00分の16時間→6分×16÷24=4分遅れる
- 土曜10時00分~10時40分の40分→6分×40÷1440=⅙分遅れる
このように「土曜日の10時40分」までに時計Aは 24+4+⅙=28⅙分(=28分10秒)遅れるから、さかのぼって考えて「月曜日の18時00分」の時点で時計Aが示していたのは 18時28分10秒
⑵ 月曜日の18時00分に時計Aは18時10分を示し、翌日の火曜日の8時00分に時計Bは7時50分を示しました。時計Bは1日に□分□秒の割合で速く進むので、同じ週の水曜日の20時00分に2つの時計は同じ□時□分□秒を示しました.
まず時計Aに注目すると「月曜日の18時00分」から「同じ週の水曜日の20時00分」まで2日と2時間。時計Aは1日あたり6分遅れるから
- 月曜18時00分~水曜18時00分のまる2日→6分×2=12分遅れる
- 水曜18時00分~20時00分の2時間→6分×2÷24=0.5分遅れる
とすると「月曜日の18時00分」の時点で「18時10分を示し」ていた時計Aは「水曜日の20時00分」までに12.5分遅れるから
(10分進んでいた)-12.5分= (いま2.5分遅れ)
だとわかる。
よって「水曜日の20時00分に」時計Aが示すのは
20時00分-2分30秒=19時57分30秒
同じく時計Bもこの時間を示しておりいま2.5分遅れている。
「火曜日の8時00分に時計Bは7時50分を示し」ていたから
(10分遅れていた)+□分= (いま2.5分遅れ)
より □=7.5分 とわかり、普通の時計より7.5分速く進んだ。
いま「水曜日の20時00分」なのでかかった時間は
水曜20時-火曜8時=1日12時間=1.5日
よって比例式を使って1日あたりに直すと
7.5分:1.5日=□分:1日 より
□=7.5分×1÷1.5=5分0秒
その2(広島学院2023)
ある日、地球の1日が30時間になりました。1時間は60分のままです。そこで短針が30時間で2周し、長針が1時間で1周するように時計を作り直しました。例えば、図1は4時、図2は4時50分を表しています。次の問いに答えなさい。
⑴ 1分間に長針と短針はそれぞれ何度進みますか。
この時計は「長針が1時間で1周」し「短針が30時間で2周」するから
長針…360°÷60分=6°
短針…360°×2÷1800分=0.4°
⑵ 4時29分のとき、長針と短針がつくる角のうち小さい方の角の大きさは何度ですか。
文字盤の一番上の数「15」と長針でできる角、「15」と短針でできる角を考えると
- 長針…4時0分時点の角は0°なので、29分で動く角だけ考えて 6°×29=174°
- 短針…4時間29分(269分)で動くのは 0.4°×269=107.6°
よって 174°-107.6°=66.4°
⑶ 5時から6時までの1時間で、長針と短針の間の角度が図3の点線によって2等分される時刻は何時何分ですか。
「第三の針」の考え方を使うのが解きやすい問題です。
小問⑵と同じく文字盤の「15」と長針でできる角、「15」と短針でできる角を考える。
❶5時0分の時点で長針は0°、短針は0.4°×300=120°の位置にある
❷ここで長針と短針のちょうど真ん中にいつもあるような第三の針(中針)を考えると
- 中針のはじめの位置は (0°+120°)÷2=60°
- 中針の速さは (6+0.4)÷2=分速3.2°
❸求めたい「長針と短針の間の角度が図3の点線によって2等分される時刻」とはこの中針が「5」の位置にくる時刻のこと(中針は必ず長針と短針の角度を2等分するようはじめに設定したので)
とするとここから中針が60°進むのにかかる時間を求めればよいから
60°÷3.2=18¾分 より 5時18¾分