投票率と支持率(相当算2023③) | 受験算数はきょうもおもしろい

以前の記事の続きです。

 

T市である選挙が行われました。立候補者はHさん、Bさん、Rさんの3人で、当選するのは1人だけです。
T市の有権者を50才未満の人と、50オ以上の人の2グループに分け、誰を支持しているか(投票する予定か)を調査しました。それぞれのグループについて、各立候補者を支持する人の割合を「支持率」と呼びます。ただし、有権者全員が立候補者のいずれか1人を支持しているとします。
また、それぞれのグループについて、実際に選挙に行って投票した人の割合を「投票率」と呼びます。T市のそれぞれのグループの人口と、支持率と投票率は次のようになりました。

選挙の結果、Bさんが38800票で当選しました。また、HさんはRさんより8480票多くの票を得ました。
今回の選挙で無効票はありませんでした。投票に行った人の支持率もそれぞれのグループの支持率と同じものとして、次の問いに答えなさい。(雲雀丘2023B)

⑴[ア]にあてはまる数を求めなさい。

 

右矢印 「Bさんが38800票で当選」したことがわかっている。

Bさんの得票数は

 人口×投票率×Bさんの支持率

で出せる(「投票に行った人の支持率もそれぞれのグループの支持率と同じ」なので)から

 11万票×[ア]%×32%+8万票×70%×41%=38800

 35200×[ア]%+22960=38800 より

 ア=15840÷35200=45%

 

⑵[イ]にあてはまる数を求めなさい。

 

右矢印 小問⑴の結果と実際の得票数を入れて表を更新すると

まずHとRの得票数の和を出すと (全体の票数)-(Bの票数) より

 105500-38800=66700票

ここで「HさんはRさんより8480票多くの票を」得たから、Hの得票数は

 (66700-8480)÷2+8480=37590票

ここから50才未満で得た20790票を引くと、[イ]にあたる実際の票数は16800票(=37590-20790)

よって 16800÷56000=0.3 より イ=30%

 

⑶ 今回の選挙で、50才未満のグループの投票率が[エ]%より大きければ、Hさんは当選していました。[エ]にあてはまる最も小さい整数を求めなさい。考え方も答えなさい。

 

右矢印 小問⑵の結果も入れて表を更新すると次のとおり。なお、H(2位)がB(1位)を逆転するところだけわかればよいのでRについては考えなくてよい

この表でわかるのは、50才未満のグループの投票率が1%ふえると票数は1100票(=11万×1%)ふえる。このうちHには462票(=1100×42%)、Bには352票(=1100×32%)が行くから、投票率が1%上がるごとにBとHの差が110票ずつちぢまっていく

 

いま2人の票の差は 38800-37590=1210票だから

 1210÷110=11

より、50才未満の投票率がいまより11%高くて 45+11=56%だったらBとHの得票数はちょうど同じになっていた

よって、この投票率が エ=56% より大きければHが当選していた 完了