マニアックな受験算数「エマープ」 | 受験算数はきょうもおもしろい

以前の記事に関連する話です。

 

今回取り上げるのは「エマープ」です。

回文数と似たような話ですが、不思議なことに(そこそこ出題例がある回文数とは違って)これが最近の中学入試で出された例はこれまでほとんどなかったようです。素数がからむおもしろい話なので、もっと出されてもおかしくないテーマかと思うのですが。

 

ある素数について各位の数字を逆に並べると別の素数になるものを工マーブといいます。例えば、107という素数について、各位の数字を逆に並べてできる701も素数になるので107と701はエマーブです。一方、313という素数は、各位の致字を逆に並べても、もとの数と同じ数なのでエマーブではありません。以下、十の位の数字をA、ーの位の数字をBとする2桁の素数について、ABとBAがともにエマープであるときのみを考えます。(品川女子2023)

⑴ 考えられる2桁の素数ABのうち、最も小さいものはいくつですか。

 

右矢印 2桁の素数を11から数えていくと、つぎに大きい13がさっそくエマープになっている(逆に並べた31も素数)ので 13

 

⑵ 1から9までの数字のうち、各位の数字AにもBにも使われないものはどれですか。すべて答えなさい。

 

右矢印 まず偶数の素数は2だけだから、2、4、6、8は十の位でも使われない(ケタを逆にすると偶数になってしまう)。

 

また一の位で使うと5の倍数になってしまう5も使われない。

 

よって 2、4、5、6、8

 

⑶ 2桁の素数ABとBAの差が最も大きくなるとき、ABとBAはいくつですか。

 

右矢印 小問⑵をヒントに、1、3、7、9が十の位にくる2ケタの素数を考えてみると

  • 「1■」の素数…11、13、17、19
  • 「3■」の素数…31、37
  • 「7■」の素数…71、73、79
  • 「9■」の素数…97

このうちエマープになっている組は

(13,31)(17,71)(37,73)(79,97)

の4つ。このなかでその差が最も大きいのは(引き算をするまでもなく十の位だけ注目すれば明らかで)17と71 完了

 

 

なお、いま話題沸騰中のChat GPTに小問⑴を解かせた結果を参考までにのせておきます。少し回りくどいですが、プログラムが使える問題はさすがに得意なようできちんと正解できています(小問⑵と小問⑶はうまくいかなかったため省略)。

 

「まず、各位の数字を逆に並べてできる数が素数である素数を見つけることが必要です。このために、以下のプログラムを使用できます。

<略(Python を使ったプログラム①)>

これにより、次のようにエマーブのリストが得られます。

[13, 17, 31, 37, 71, 73, 79, 97]

次に、問題に従ってABとBAがともにエマープである2桁の素数を見つけます。つまり、ABとBAがともにemirpである素数を見つける必要があります。 以下のプログラムを使用して、このような素数を見つけることができます。

<略(Python を使ったプログラム②)>

これにより、次のようにABとBAがともにエマーブである素数のリストが得られます。

[13, 17, 31, 37, 71, 73, 79, 97]

したがって、最も小さい2桁の素数は13であるため、答えは13です。」