場合の数2023⑨(倍数と約数)  | 受験算数はきょうもおもしろい

以前の記事の続きです。

今年出題された場合の数の入試問題の第9弾で、最大公約数と最小公倍数とからめたさいころ問題になります。

 

1個のさいころを3回ふって、出た目の数字を順番にA、B、Cとします。A、B、Cの最大公約数をX、最小公倍数をYとするとき、次の問いに答えなさい。(田園調布2023午後)
⑴ X=3になるA、B、Cの組み合わせは、全部で何通りありますか。

 

右矢印 最大公約数が3なのでA、B、Cはすべて3の倍数。となると3か6だけなので 2×2×2=8通り。

ただし、すべて6だと最大公約数は6になってしまうのでこの1通りはのぞく必要がある。

よって 8-1=7通り

 

⑵ X=2になるA、B、Cの組み合わせは、全部で何通りありますか。

 

右矢印 最大公約数が2なのでA、B、Cはすべて2の倍数=偶数と決まる。となるとA、B、Cは2,4,6のどれかなので 3×3×3=27通り。

ただし、すべて4だと最大公約数は4に、すべて6だと6になってしまうのでこの2通りはのぞく必要がある。

よって 27-2=25通り

 

⑶ Y=20になるA、B、Cの組み合わせは、全部で何通りありますか。

 

右矢印 最小公倍数が20なのでA、B、Cはすべて20の約数だから1,2,4,5のどれか。そして5と4は必ず必要(この2つがそろわないと最小公倍数20はつくれない)

 

そこでA、B、Cの組を(5,4,■)(■は1,2,4,5のどれか)とし、その並びかえを考えると

  1. (5,4,5)の並びかえが3通り
  2. (5,4,4)の並びかえが3通り
  3. (5,4,2)の並びかえが6通り
  4. (5,4,1)の並びかえが6通り

よって 3+3+6+6=18通り

 

⑷ ①Y=12になるA、B、Cの組み合わせは、全部で何通りありますか。

 

右矢印 最小公倍数が12なのでA、B、Cはすべて12の約数だから1,2,3,4,6のどれか。そしてA、B、Cの組は(6,4,■)(4,3,■)のどちらかの形(■は5以外)で書くことができる。

場合分けして考えると

(6,4,■)のとき…次の24通り

  • (6,4,6) (6,4,4) の並びかえが3通りずつ
  • (6,4,3) (6,4,2) (6,4,1) の並びかえが6通りずつ

(4,3,■)のとき…次の18通り

  • (4,3,6) は❶で数えた
  • (4,3,4) (4,3,3) の並びかえが3通りずつ
  • (4,3,2) (4,3,1) の並びかえが6通りずつ

よって❶❷の合計で 42通り

 

⑷ ②X=2とY=12の少なくともどちらかになるようなA、B、Cの組み合わせは、全部で何通りありますか。

 

右矢印 ここまででわかったことをまとめると

 

❶ X=2になる組み合わせ25通り(小問⑵)の中身は次の8組

 (6,6,4) (6,6,2) (6,4,4) (6,4,2) (6,2,2)

 (4,4,2) (4,2,2) (2,2,2)

 

❷ Y=12になる組み合わせ42通り(小問⑷①)の中身は次の9組

 (6,6,4) (6,4,4) (6,4,3) (6,4,2) (6,4,1)

 (4,4,3) (4,3,3) (4,3,2) (4,3,1)

 

上の❶❷を見くらべるとグレーの3組が重なっており、その組み合わせは (6,6,4) が3通り、(6,4,4) が3通り、(6,4,2) が6通りの合計12通りある。

よって 25+42-12=55通り完了