仕事算2023② | 受験算数はきょうもおもしろい

以前の記事の続きです。

 

今年出された仕事算の入試問題第2弾です。

 

  その1(逗子開成2023)

 

ある仕事を兄だけで行うと16日、弟だけで行うと28日かかります。この仕事を2人で行うときは、兄は弟を手伝いながら作業をするので、1日にできる仕事量は、兄は20%減り、弟は40%増えます。この仕事を兄弟2人で行うと、何日かかりますか.

 

右矢印 全体の仕事量を112(16と28の最小公倍数)とおく。

  1. このとき「兄だけで行うと16日」かかるので兄の1日あたり仕事量は7、「弟だけで行うと28日」かかるので弟の1日当たり仕事量は4
  2. この仕事を2人で行うとき、1日にできる仕事量が兄は20%減るから 7×0.8=5.6。弟は40%増えるから 4×1.4=5.6

よって、この仕事を兄弟2人で行うと 112÷(5.6+5.6)=10日かかる

 

 

  その2(東邦大付東邦中2023)

 

牧場の草を一定のペースで食べ続けるヤギがたくさんいます。すべてのヤギは同じペースで草を食べます。このヤギが12頭いると、10000㎡の牧場の草を4週間で食べつくします。このとき、72000㎡の牧場の草を18週間以内に食べつくすには、何頭以上のヤギが必要か求めなさい。ただし、草が新しく生えてくることはありません。

 

右差し「牧場」「草」「ヤギ」ときたらニュートン算の問題であることが多いですが、本問では「草が新しく生えてくることはありません」ということなのでふつうの仕事算になります。(*全体量が変わらないのが仕事算、全体量が変わるのがニュートン算という区別が一般的。)

 

右矢印 ヤギ1頭が1週間で食べる草の量を①㎡とする。

  1. ヤギが12頭いると、10000㎡の牧場の草を4週間で」食べつくすから、①×12×4=10000 より ①=⁶²⁵⁄₃㎡
  2. ヤギが□頭いるときに「72000㎡の牧場の草」をちょうど18週間で食べつくすというヤギの頭数□を考えると ⁶²⁵⁄₃×□×18=72000 より □=4000÷⁶²⁵⁄₃=²⁴⁰⁰⁄₁₂₅=⁹⁶⁄₅=19.2頭

よって「18週間以内に食べつくす」には20頭以上のヤギが必要

 

 

  その3(聖光学院2023)

 

空の水そうにポンプAとポンプBの2台を使って同時に水を入れ始め、水そうを満水にする作業をします。作業の途中でボンブBが2分間停止したとすると、水そうが満水になるのに8分かかります。また、作業の途中でポンプAが8分間停止したとすると、水そうが満水になるのに12分かかります。
2台のポンプが途中で停止することなく動くとすると、水そうが満水になるのに何分何秒かかりますか。

 

右矢印 ポンプAの仕事量を毎分A、ポンプBの仕事量を毎分Bとする。

問題文より

  • Bが2分間停止したとすると、水そうが満水になるのに8分」かかる→Aを8分、Bを6分動かすと満水になる
  • Aが8分間停止したとすると、水そうが満水になるのに12分」かかる」→Aを4分、Bを12分動かすと満水になる

ことがわかるから

  A×8+B×6=A×4+B×12 より A×2=B×3

ここからA=③とおくとB=➁とおける。

このとき満水にするのに必要な全体の仕事量は A×8+B×6=㉔+⑫=㊱

よって ㊱÷(③+➁)=7.2分 より 7分12秒

 

 

  その4(洗足学園2023)

 

ある仕事をAが1人で行うと、ちょうど36日かかります。この仕事をAとBの2人で行うと、27日では少し残ってしまい、28日目に余裕をもって終わらせることができます。この仕事をBが1人で行うと、何日以上何日以下かかると考えられますか。なお、この問題は解答までの考え方を表す式や文章・図を書きなさい。

 

右矢印 「Aが1人で行うと、ちょうど36日」かかる仕事であること、2人で行うと「27日」では足りないが「28日」だと多すぎることを手がかりに考えていくと

  1. この仕事を2人で行うと27日ちょうどで終わるものとする。このとき全体の仕事量を108(36と27の最小公倍数)とおくと、Aの1日あたり仕事量は3、A+Bの1日あたり仕事量は4なので、Bの1日あたり仕事量は1。これだと1日あたり仕事量の比は A:B=3:1となるが、実際には「27日では少し残って」しまうから、Bの1日当たり仕事量はAの⅓より小さいとわかる
  2. 次にこの仕事を2人で行うと28日ちょうどで終わるものとする。このとき全体の仕事量を252(36と28の最小公倍数)とおくと、Aの1日あたり仕事量は7、A+Bの1日当たり仕事量は9なので、Bの1日あたり仕事量は2。これだと1日当たりの仕事量の比は A:B=7:2となるが、実際には「28日目に余裕をもって終わらせることが」できるから、Bの1日あたり仕事量はAの²⁄₇より大きいだとわかる
  3. そうするとAの1日あたり仕事量を21にそろえると、Bの1日あたり仕事量は21×⅓=7より小さく、21ײ⁄₇=6より大きいとわかる。このとき全体の仕事量は21×36=756

よって 756÷7=108、756÷6=126 より、この仕事をBが1人で行うと(108日間では足りないこと、126日めのぜんぶ使う必要はないことから)109日以上126日以下かかる 完了