以前の記事の続きです。
今回は売買損益の2023年出題例を集めてみました。
その1(豊島岡2023)
⑴ 品物Aを□円で1個仕入れました。この品物に5割増しの定価をつけましたが、売れなかったので、定価の2割引きで売ったところ、利益は240円でした。
仕入れ値を⑩とする。このとき定価は⑮。売価は「定価の2割引き」だから⑫。
そして「利益は240円」で「利益=売り上げ-仕入れ」だから
⑫-⑩=240円 より ①=120円
よって仕入れ値⑩は120×10=1200円
⑵ 品物Bを120円で□個仕入れました。この品物に5割増しの定価をつけたところ700個売れ、残りの品物は定価の2割引きで売ったところ、全ての品物が売れました。このとき、利益は全部で43800円でした。
❶定価で売った分と❷値引きして売った分とに分けて考える。
❶定価で売った分…700個
品物B(仕入れ値120円)の「5割増しの定価」は120×1.5=180円。売価180円だと1個あたり60円が利益だから、700個売ったときの利益合計は 60×700=42000円
❷値引きして売った分…この個数を①個とする
定価180円の品物Bを「定価の2割引きで売った」から売価は180×0.8=144円。このとき1個当たり利益は24円(=144-120)だから利益合計は 24×①=㉔円
ここで「利益は全部で43800円」で「利益=売り上げ-仕入れ」だから 42000+㉔=43800 より ㉔=1800 なので ①=75個
その2(香蘭2023第2回)
仕入れ値が1個250円である商品を150個仕入れました。仕入れ値の□%増しの定価をつけ、80個は定価のまま、50個は定価の1割引きで、20個は定価の2割引きで売りました。150個すべてを売り切ったとき、利益は9030円となりました。
定価を1円とする。このとき
❶売り上げ合計は次の1.~3.の和で141円
- 「80個は定価のまま」売ったから 1×80=80
- 「50個は定価の1割引きで」売ったから 0.9×50=45
- 「20個は定価の2割引きで」売ったから 0.8×20=16
❷「仕入れ値が1個250円である商品を150個仕入れ」たから仕入れ合計は250×150=37500円
❸「利益は9030円」で「利益=売り上げ-仕入れ」だから
141-37500=9030 より 141=46530 なので 定価1=330円
よって 330÷250=1.32 より 32%増し
その3(函館ラ・サール2023)
1個の値段を350円にして売ると、150個売れる商品があります。この商品は、1個の値段を5円値下げするごとに、売れる個数が3個ずつ増えます。売り上げを54000円にするには、1個の値段をいくらにすればよいですか。ただし、1個の値段は350円以下とします。
350円だと150個売れる商品が「5円値下げするごとに、売れる個数が3個ずつ増え」るとき、値下げを①回したあとの1個の値段は (350-⑤)円、売れる個数は (150+③)個と書ける。
となると「売り上げを54000円にする」には
(350-⑤)×(150+③)=54000…㋐
が成り立つような値下げ回数①を求めればよい。
そこで㋐をよく見ると「350-⑤」は5の倍数、「150+③」は3の倍数なので、わかりやすく直してみると
(70-①)×5×(50+①)×3=54000 より
(70-①)×(50+①)=3600…㋐’
と簡単にできる。
あとは3600は60の平方数だと気づけば、ちょうど①=10のとき㋐’が成り立つのがわかる。
よって、①=10より、1個の値段は 350-⑤=300円
その4(神奈川学園2023C)
商品を1個500円で100個仕入れました。この商品に2割の利益を見込んで定価をつけました。定価で何個か売れた後、残りを定価の1割引きで売りましたが、10個売れ残りました。売れ残った商品を、仕入れ値の6割の値段ですべて売ったところ、利益は4600円になりました。
このとき、定価で売った商品の個数は何個ですか。
「1個500円」の商品に「2割の利益を見込んで定価」をつけたから、定価は600円(=500×1.2)
これを使って問題文の情報を整理していくと
- 「定価で何個か売れた後、残りを定価の1割引きで」売ったら10個売れ残った。定価で売った個数と定価の1割引きで売った個数を合わせると90個。この90個の売り上げをいったん□円とする。
- 「売れ残った商品を、仕入れ値の6割の値段ですべて売った」とき、売価は500×0.6=300円。これを10個売ったから売り上げは3000円
- 「1個500円で100個仕入れ」たから仕入れ合計は 500×100=50000円
ここで「利益=売り上げ-仕入れ」だから
□+3000-50000=4600 より □=51600円
この51600円は、1個600円(定価)と1個540円(定価の1割引き)で合わせて90個を売ったときの売り上げ合計なので、つるかめ算の図を書くと
600×50+540×40=51600となっているのがわかる。
よって定価で売ったのは50個