通過算2023➁ | 受験算数はきょうもおもしろい

以前の記事の続きです。

 

今年の入試問題から、今回は通過算の問題です。どれも大問1や2のなかで出された基本問題なので確実に得点したいところです。

 

  トンネルの通過算(海星中2023)

 

全体の長さが127mの電車が、長さ5652mのトンネルに完全にかくれている時間は221秒でした。この電車の速さは時速何kmですか。

 

右矢印 電車が進んだ距離は5652-127=5525m

これを221秒で進んだから、速さは5525÷221=秒速25m

時速になおすと 25×3600÷1000=時速90km

 

 

  電車の追いつき算(札幌日大2023)

 

長さ220mで速さが毎秒14mの電車Aと、長さ180mで速さが毎秒10mの電車Bが、同じ方向に走っています。この電車Aが、前を走る電車Bに追いついてから追いこすまでに何秒かかるか、答えなさい。

 

右矢印 追いついてから追いこすまでに電車Aが進んだ距離は 220+180=400m

追いつき追いこすときの速さは 14-10=毎秒4m

よって、追いついてから追いこすまでにかかる時間は 400÷4=100秒

 

 

  橋の通過算①(久留米大附設2023)

 

一定の速さで走っている電車があります。電車の先頭が長さ120mの橋を渡り始めてから電車の最後部が渡り終えるまでに10秒かかりました。また、同じ電車の先頭が長さ400mの橋を渡り始めてから電車の最後部が渡り終えるまでに24秒かかりました。電車の長さは何mですか。

 

右矢印 この電車は 400-120=280m 長く走ると 24-10=14秒多く時間がかかるのがわかる。

したがって、その速さは280÷14=秒速20m秒

 

よって「電車の先頭が長さ120mの橋を渡り始めてから電車の最後部が渡り終えるまでに10秒」かかることから

 橋の長さ+電車の長さ=20×10=200m

とわかり、電車の長さは 200-120=80m

 

 

  橋の通過算➁(星野学園2023)

 

秒速25mの普通列車と、秒速40mの急行列車があります。ある橋を渡りはじめてから渡り終わるまでに普通列車は55秒、急行列車は32秒かかります。また、普通列車と急行列車が出会ってからすれちがい終わるまでに7秒かかります。普通列車の長さは何mですか。

 

右矢印 「普通列車と急行列車が出会ってからすれちがい終わるまでに7秒」かかる。

 

普通列車の長さを㋫、急行列車の長さを㋖とする。普通列車に注目するとその走る距離は(㋫+㋖)m

すれちがう速さは(2つの列車の速さの和なので)25+40=秒速65m

だから(㋫+㋖)÷65=7 より㋫+㋖=455…①

 

また「ある橋を渡りはじめてから渡り終わるまでに」「秒速25mの普通列車」だと55秒、「秒速40mの急行列車」だと32秒かかる。

橋の長さを「橋」とすると

 (㋫+橋)÷25=55 より ㋫+橋=1375…❶

 (㋖+橋)÷40=32 より ㋖+橋=1280…❷

❶-❷より(「橋」が消えて) ㋫-㋖=95…➁

 

よって ①+➁より ㋫×2=550 だから、普通列車の長さは 275m 完了