以前の記事に関連する話です。
表面積や体積を求める大問は立体くりぬきや積み木とからめて出されることが多いですが、展開図から表面積や体積を求めるという形で出されることもあります。
たとえば次の問題。積み木や立体切断の問題などと同じくイメージ力が勝負を分ける問題です。
次の図は、ある立体Xの展開図から長方形の面を1つ取りのぞいたものです。かかれている四角形はすべて長方形です。このとき、下の問いに答えなさい。(世田谷学園2023第3次)
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20230527/05/jukensansuwa/93/d7/p/o1722166215289932925.png?caw=800)
⑴ この図にかかれている図形の面積の合計は何㎠ですか。
下図のように㋐~㋛までの記号をつける。
合同な図形はまとめて計算すると
- ㋐と㋑…1㎝×2㎝×2=4㎠
- ㋒と㋓…2㎝×2㎝÷2×2=4㎠
- ㋔と㋕…2㎝×2㎝×3.14÷4×2=6.28㎠
- ㋖と㋗…4㎝×4㎝×2=32㎠
- ㋘と㋙…2㎝×4㎝×2=16㎠
- ㋚…2㎝×(4㎝×3.14÷4)=6.28㎠
- ㋛…2㎝×4㎝=8㎠
以上の合計で 4+4+6.28+32+16+6.28+8=76.56㎠
⑵ 解答欄の図に、取り除いた長方形を補って、立体Xの展開図を完成させなさい。また、この立体Xの体積は何㎤ですか。
完成図をイメージしながら頭のなかで組み立てていくと取り除いたのは下図❶の長方形(組み立てると2つある直角二等辺と接することになるのでどちらかにくっつける形でも可)
これで完成したイメージ図を書くと次の通り(展開図の❶~❺とイメージ図の❶~❺とが対応)
とすると立体Xは❸を底面とする直方体、❹を底面とする四分円柱、❺を底面とする三角柱の3つからなる。それぞれ体積を求めると
- 直方体…4㎝×4㎝×2㎝=32㎤
- 四分円柱…2㎝×2㎝×3.14÷4×2㎝=6.28㎤
- 三角柱…2㎝×2㎝÷2×1㎝=2㎤
以上の合計で 32+6.28+2=40.28㎤