植木算と速さ | 受験算数はきょうもおもしろい

以前の記事に関連する話です。

 

植木算と速さはどちらも頻出問題なので、2つを組み合わせた問題が出されることも当然あります。

速さがメインで植木算や周期算の要素も一部入っているというものを以前取り上げましたが、逆に植木算がメインになっている速さの問題もあります。

たとえばこちらの問題。

 

ある直線上に4点A、B、C、Dがあります。点Pは毎分8cmの速さで「5分進んだあと1分止まる」を繰り返して進みます。点Qは「4分進んだあと1分止まる」を繰り返して進みます。2点A、Bは170cm離れており、点Pは点Aから点Bへ、点Qは点Bから点Aへ、同時に出発すると11分後に重なりました。次の問いに答えなさい。(広尾学園2018)
⑴ 点Qの進む速さは毎分何cmか答えなさい。

 

右矢印 点Pと点Qの最初の11分間の動きを考えると

  • 点Pは「5分進んだあと1分止まる」を繰り返すから、11分後だと5+1+5=11より、5分×2回=10分進んだ。この間に「点Pは毎分8cmの速さ」なので8×10=80㎝進んだ
  • 点Qは「4分進んだあと1分止まる」を繰り返すから、11分後だと4+1+4+1+1=11より、4分×2回+1分×1回=9分進んだ。点Qの速さを毎分▢㎝とすると、この間に▢×9㎝進んだ

この結果「2点A、Bは170cm離れて」いるから 80+▢×9=170 より ▢=毎分10㎝

 

なお、最初の12分間のPとQの進んだ距離を表にすると次の通り。

 

 

⑵ 点Pと点Qが点Aから同時に出発して点Cまで進むとき、かかった時間を比べると8分の差がありました。点Cは点Aから何cm離れているか求めなさい。

 

右矢印 PとQの動きの違いに注目すると

  • 点Pは毎分8cmの速さで「5分進んだあと1分止まる」」を繰り返しながら進むから、6分後に止まったときには8×5=40㎝進んでいる
  • 点Qは毎分10㎝(小問⑴)の速さで「4分進んだあと1分止まる」を繰り返しながら進むから、5分後に止まったときには10×4=40㎝進んでいる

同じ40㎝を進むごとに1分の差ができるから、同じAC間を進むのにかかる時間に「8分の差」があったのであれば、AC間の距離は 

 40×8=320㎝

 

 

⑶ 点Pは点Aから点Dまで、点Qは点Dから点Aまで同時に出発して進みました。点Pは6回目に止まってから7回目に止まるまでの間、点Qは7回目に止まってから8回目に止まるまでの間に2点P、Qは重なりました。点Aから点Dまでの距離は何cm以上何cm以下か求めなさい。

 

右矢印 「点Aから点Dまでの距離」は、点Pと点Qが最も早くぶつかるときに一番短くなり、最も遅くぶつかるときに一番長くなる。

 

  点Pと点Qが最も早くぶつかるとき

 

❶Pが6回目に止まるのは6×6=36分後(36分0秒)。その場所はAから240㎝地点(35分間のうち動いていたのは30分間なので8×30=240より)

❷Qが7回目に止まるのは5×7=35分後(35分0秒)。その場所はDから280㎝地点(34分間のうち動いていたのは28分間なので10×28=280より)

 

❶❷より、条件をみたす最初の時間は36分後。このとき「点Aから点Dまでの距離」は最も短くなる。

36分後(36分0秒)の状況を考えると、Pはちょうど止まったところ、Qは7回目の1分停止をおわってちょうど動きはじめるところなので、❶❷にある距離は変わらず

 240+280=520㎝

 

  点Pと点Qが最も遅くぶつかるとき

 

❸Pが7回目に止まるのは6×6=42分後(42分0秒)。その場所はAから280㎝地点(41分間のうち動いていたのは35分間なので8×35=280より)

❹Qが8回目に止まるのは5×7=40分後(40分0秒)。その場所はDから320㎝地点(39分間のうち動いていたのは32分間なので10×32=320より)

 

❶❷より、条件をみたす最も遅い時間は40分後。このとき「点Aから点Dまでの距離」は最も長くなる。

40分後(40分0秒)の状況を考えると、Pは❸から2分戻ったところにいるので、

 280+320-8×2=584㎝

 

よって 520㎝以上584㎝以下

 

なお、この前後のPとQの進んだ距離を表にすると次の通り。

完了