折り紙② | 受験算数はきょうもおもしろい

以前の記事の続きです。

 

折り紙を使った問題として、ほかにも次のような問題が出されています。

 

  切って広げた形を考える(東洋英和2021B)

 

1辺20㎝の折り紙を下図のように2回折って1辺10㎝の正方形を作り、斜線部分を切り取りました。ただし、辺上の各点は各辺を4等分した点で、頂点Aの位置は固定されています。次の問いに答えなさい。
⑴ 切り取った後の紙を広げました。この図形を解答らんの図にかきなさい。切り取った部分には斜線を入れること。ただし、方眼の1目は5㎝です。

 

右矢印 こうした折り紙問題の定番の解き方として、切ったあと広げる前の形をもとの折り紙の上に重ねてみる。本問では「頂点Aの位置は固定されて」いるので、Aが重なるよう右上に置くこととなる。

あとは折り目を線対称の軸として左、下、左下に対称な図形を書いていくと次の形(学校公表の解答例を引用)になる。

 

⑵ ⑴の図形の面積を求めなさい。ただし、円周率は3.14とします。

 

右矢印 切りとった図形(斜線部)は①6コの二等辺三角形(底辺、高さとも5㎝)と②あわせて1コの円(半径5㎝)からできているのがわかるから

 ①二等辺三角形…5×5÷2×6=75㎠

 ②円…5×5×3.14=78.5㎠

より、この和153.5㎠を全体の面積20×20=400㎠から引いた残りが求める図形なので 246.5㎠

 

 

  折り目を考える問題(広尾学園2021)

 

正方形の折り紙があり、各頂点をA、B、C、Dとし、辺ADの中点をMとします。右の図は、次の手順で正方形ABCDを折ったときの折り目となる直線をかいたものです。

手順① BMで折ってもどします。
手順② ACで折ってもどします。
手順③ 手順①、②の折り目の交点をPとします。辺BCが点Pと重なり、折り目が辺ABと垂直になるように折ってもどします。この折り目と辺AB、辺CDとの交点をそれぞれQ、Eとします。
⑴ AQ:QBを最も簡単な整数の比で答えなさい。

 

右矢印 手順③で辺BCが点Pと重なったときにBが重なる点をB’、Cが重なる点をC’とする。

AM:BC=1:2だから、△AMPと△CBPは相似比1:2の相似形。とするとそれぞれの高さにあたるAB’:BB'も1:2。

よってQB=QB'だから AQ:QB=2:1

 

 

⑵ 上の手順で折ったあと、さらに紙を折っていき、辺AB上にAR:RB = 2:5となるような点Rをとります。Rをとるための折り目となる直線を解答用紙の図にかき、どのような手順で直線を引いたか、下の(例)のように点に記号をつけて④以降を答えなさい。たとえば、手順①のようにBMで折ってもどしたものは「BM」と書きます。ただし、手順は最大でも⑩までとします。
 (例)  ①BM  ②AC  ③QE

 

右矢印 小問⑴が誘導になっているのではと当たりをつけて、辺ABを2:5に分けるのが点R、同じ辺ABを2:1に分けるのが点Qなので、とりあえずAB=㉑として比合わせしてみる。

下矢印      

するとAR:RQ:QB=6:8:7となっているのがわかる。ここからAR:RQだけ取り出すと6:8=3:4。これはQMを結んだときにできる赤い三角形2つの相似比と同じになっている。

よって、折り返しの手順は①BM、②AC、③QE、④QM、⑤RR'

完了