ニュートン算③(途中で処理能力が変わる) | 受験算数はきょうもおもしろい

以前の記事の続きになります。

 

速さの問題では途中で速さが変わるものが多く出されるようになってきていますが、同じように、ニュートン算でも途中で処理能力が変わるものが出されることがあります。そうなると、ただでさえ難しいニュートン算がさらに難しくなってしまいます。

たとえばこちらの問題。

 

ある水族館には3台の券売機があり、開館30分前から入場券を売り始めます。入場券を売り始める前には90人が並んでいて、売り始めてからは、平均して1分間に6人が列の後ろに加わります。次の問いに答えなさい。(頌栄女子2018)

⑴ 開館してからちょうど20分後に列がなくなるには、1台の券売機は平均して1分間に何人に入場券を売ればよいか求めなさい。

 

右矢印 券売機1台の能力を毎分①人とすると「3台の券売機」の能力は毎分③人。

平均して1分間に6人が列の後ろに」加わるから、実際に減っていくのは毎分(③-6)人。

 

開館30分前に90人並んでいた列を「開館してちょうど20分後」までの50分間でなくすには

 (③-6)×50=90 

となるようにすればよい。ここから ③-6=1.8 より ③=7.8 なので ①=2.6人

よって1台の券売機は平均して1分間に2.6人に入場券を売ればよい。

 

 

⑵ 1台の券売機が平均して1分間に3人に入場券を売ったとします。
① 135番目に入場した人は、自分が並び始めてから何分後に入場券を買えたか求めなさい。

 

右矢印 「135番目に入場した人」は、はじめから並んでいた90人がいるので、入場券を売り始めてから45番目に列に並んだ人。その並び始めた時間は、「平均して1分間に6人が列の後ろに」加わるから、入場券を売り始めてから7.5分後(=45÷6)。

 

そして「1台の券売機が平均して1分間に3人に入場券を売った」とき、「3台の券売機」があるから毎分9人が入場できる。となると135番目の人が入場するのは入場券を売り始めてから15分後(=135÷9)。

これはその人が並び始めてからだと 7.5分後(=15-7.5)

 

 

② 開館15分前に2台の券売機が故障しました。その5分後に係員が臨時窓口を2つ用意して入場券を売ったところ、本来の時間よりも7分遅れで列がなくなりました。最初から3つの臨時窓口のみで売っていたとしたら、開館何分前あるいは開館何分後に列がなくなるか求めなさい。なお、答えの求め方も説明しなさい。

 

右差し 計算の途中で美しくない分数が多数出てくるので、計算間違いしているのではないかと不安になってくる問題です。

 

右矢印 「3台の券売機」ぜんぶを使って「1台の券売機が平均して1分間に3人に入場券を売った」ときにかかる時間がここでいう「本来の時間」。これをまず求めると、毎分3人×3=毎分9人に入場券を売り、あらたに毎分6人が並ぶから、列は毎分3人ずつ減っていく。この場合、はじめに並んでいた90人の列は30分でなくなっていた。

 

実際にはこれより「7分遅れ」で列がなくなったことから実際にかかった時間は37分。この37分間の入場券の売れ方について考える。

丸ブルー開館30分前から開館15分前まで

3台の券売機」で毎分9人に売った

 → 毎分9人×15分=135人が入場券を買った

丸レッド開館15分前から開館10分前まで

2台の券売機が故障」したので券売機1台で毎分3人に売った

 → 毎分3人×5分=15人が入場券を買った

丸ブルー開館10分前から開館7分後まで

臨時窓口の売る能力を毎分①人とすると、「臨時窓口を2つ用意して入場券を売った」ので、毎分(②+3)人に売った

 → 毎分(②+3)×17分=(㉞+51)人が入場券を買った

 

以上を合計すると、開館30分前からの37分の間に(㉞+201)人が入場券を買ったこととなる。

 

一方、この37分間に毎分6人×37分=222人が列に並んだので(はじめに並んでいた90人と合わせて)312人の列がなくなったこととなる。

 

これらの人数が等しいので

 ㉞+201=312 より ㉞=111 だから ①=¹¹¹⁄₃₄人

よって「最初から3つの臨時窓口のみで売っていたとしたら」▢分で列がなくなっていたとして考えると

 毎分(¹¹¹⁄₃₄×3-6)人×▢分=90人

 ▢=90÷(³³³⁄₃₄-6)=90÷¹²⁹⁄₃₄=¹⁰²⁰⁄₄₃分後

これは開館の²⁷⁰⁄₄₃分前(=¹²⁹⁰⁄₄₃-¹⁰²⁰⁄₄₃)完了