6でも9でも使えるカード(整数問題) | 受験算数はきょうもおもしろい

前回の記事の続きです。

 

今回取り上げるのはカード並べの問題です。よくある問題と違うのは、9を6としても使えるところで、そうなると数えるときかなり面倒になります。

たとえば次の問題。

 

6種類のカード0⃣、1⃣、2⃣、4⃣、5⃣、9⃣が1枚ずつあります。その中から3枚のカードを選び、一列に並べて3けたの整数を作ります。ただし、9⃣のカードはひっくり返して6⃣のカードとして使うこともできます。このとき、次の各問いに答えなさい。(東京女学館2022第2回)
⑴ 整数は全部で何個できるか求めなさい。

 

右矢印 まず「6種類のカード0⃣、1⃣、2⃣、4⃣、5⃣、9⃣」を(ひっくり返すことをしないで)そのまま6枚のカードとして並べるときの並べ方を考える。

このとき、百の位は0以外の5通り、十の位は百の位で使った数以外の5通り、一の位は百の位と十の位で使った数以外の4通りあるから

 5×5×4=100通り…①

 

つぎに、9⃣以外の5種類のカード(0⃣、1⃣、2⃣、4⃣、5⃣)の並べ方を考えると、上と同じように考えて、百の位で4通り、十の位で4通り、一の位で3通りあるから、

 4×4×3=48通り

 

これは①の整数100コのなかに9⃣を使った数が52コ(=100-48)あるということ。そうであれば「9⃣のカードはひっくり返して6⃣のカードとして」も使えるとき、この52コがそのまま6⃣を使った新しい数として増えるから

 100+52=152個

 

 

⑵ 偶数は全部で何個できるか求めなさい。


右矢印 0⃣、1⃣、2⃣、4⃣、5⃣、9⃣(または6⃣)でできる偶数の一の位は0、2、4、6。そこで一の位で場合分けする。

  1. 一の位が0…百の位で6通り、十の位で5通りある。ただ、この6×5=30通りには690、960も入っているからこの2コを引いて28コ
  2. 一の位が2…百の位で5通り、十の位で5通りある。ただ、この5×5=25通りには692、962も入っているからこの2コを引いて23コ
  3. 一の位が4…2.と同じ考え方で23コ
  4. 一の位が6…百の位で4通り、十の位で4通りあり、そのまま 4×4=16コ

以上の1~4の合計で 28+23+23+16=90個

 

 

⑶ 大きい方から数えて30番目の数と50番目の数をそれぞれ求めなさい。

 

右矢印 整数152コを大きい順に考える必要があるから、百の位で整理しなおす。

0⃣、1⃣、2⃣、4⃣、5⃣、9⃣(または6⃣)でできる数の百の位は1、2、4、5、6、9。それぞれ整数が何個あるかを考える。

 

百の位が1…十の位が6通り、一の位が5通りある。ただし、この6×5=30通りには169、196も入っているので、この2コを引いて28コ

 

百の位が2、❸百の位が4、❹百の位が5のときも、同じように考えてそれぞれ28コある。

 

百の位が6…十の位が5通り、一の位が4通りあるから5×4=20コ。❻百の位が9のときも同じく20コ

 

念のため、以上の❶~❻の合計は28×4+20×2=152とたしかに152コになっている。

 

 

  30番目の数

 

上でみたように、❻の「9XX」で20コあるから「30番目の数」は❺「6XX」の大きい方から10番目。よって樹形図を書いて数えると 624

 

  50番目の数

 

❻「9XX」が20コ、❺「6XX」が20コあるから「50番目の数」は❺「5XX」の大きい方から10番目。よって樹形図を書いて数えると 546

完了