前回の続きです。
前の場合の利用の表を少し工夫して使うと、多少ややこしい問題でもうまく対応できたりします。
たとえば次の問題。
Aさんが店長を務める「らーめん小岩」では横一列に席が並んでいます。次の会話文はAさんと従業員のBさんの会話の内容です。この会話文を読み、後の問に答えなさい。(江戸川女子2022)
A:お客さんとお客さんの間を必ず1席以上空けることにしましょう。
B:お客さん同士が近づきすぎないようにするためですね。そうすると、席の使い方は何通りになるのでしょうか?
A:少し考えてみましょうか。お客さんが座っている席を〇、空いている席を×とします。席が1席しかないとすると、〇か×の2通りです。席が2席だとするとどうなりますか?
B:〇〇はとなり合ってしまうのでダメですよね。そうすると、〇×、×〇、××の3通りですね。
A:そうですね。3席だとするとどうなりますか?
B:席の数が増えていくと数えていくのが大変ですね。
A:2席の場合から右に1席追加すると考えましょう。×は2席がどのような座り方でも必ず右に追加することができて、〇は×の右にのみ追加できます。
B:そうすると、[ ⑴ ]の[※]通りですね。
A:そうですね。うちの店は9席あるので、同じように考えていけばどうなりますか?
B:えっと、計算していくと…、[⑵]通りです!
⑴ [ ⑴ ]には〇と×を合わせて3個並べたものがいくつか入ります。当てはまるものをすべて書きなさい。
「〇×、×〇、××の3通り」の「右に1席追加する」ことを考える。
「間を必ず1席以上空ける」ので、〇×には〇×どちらも追加できるが、×〇には×しか追加できない。××には〇×どちらも追加できる。
まとめると 〇×〇、〇××、×〇×、××〇、×××の5通り。
⑵ [⑵]に入る正しい数を求めなさい。
「9席」までを表にすると次のようになり 89通り。
⑶ お客さんとお客さんの間を2席以上空けることにすると、「らーめん小岩」の席の使い方は何通りになりますか。
少し工夫して2席ずつのペアで考えてみる。
「2席以上空ける」から
❶〇×でおわる→×〇か××しか追加できない
❷×〇でおわる→××しか追加できない
❸××でおわる→〇×、×〇、××すべて追加できる
これを表にするとつぎの通り。
最後の席⑨だけは別に考える必要あるが、
❶席⑦⑧が〇×→席⑨は自動的に×に決まる
❷席⑦⑧が×〇→同じく席⑨は自動的に×に決まる
❸席⑦⑧が××→席⑨は〇×ともOK
なので2席以上空ける席の使い方は 41通り
なお、3席ずつの組で考えると表自体はもう少しシンプルになります。ですがその分、場合分けや計算が面倒になり(矢印の多さを見ても明らか)どこかでケアレスミスがおきやすくなってしまうという一長一短があります。