立体切断(2回の切断) | 受験算数はきょうもおもしろい

以前の記事の続きです。

 

立体切断の問題では、1回だけでなく2回切断した後の立体の体積を求めさせるものもあり、その場合には難しさも2倍になります。とにかくイメージ力や空間認識力の勝負となります。

たとえば次の問題。

 

図のような1辺の長さが5㎝の立方体があります。このとき、次の問いに答えなさい。(本郷中2022)

 

⑴ この立方体を3点A、F、Hを通る平面で切ったとき、点Eを含む立体Sの体積は何㎤ですか。

 

公式にあてはめるだけのサービス問題。小問⑵の誘導にもなっています。

右矢印 5×5÷2×5÷3=¹²⁵⁄₆㎤

 

⑵ この立方体の4点A、C、F、Hを頂点とする立体Tの体積は何㎤ですか。

 

立体Tは、全体から立体Sの体積4コ分を切り取った形だと気づけるかがカギです。

右矢印 5×5×5-¹²⁵⁄₆×4=125-²⁵⁰⁄₃=¹²⁵⁄₃㎤

 

⑶ 立体Tを3点B、G、Dを通る平面で切ったときの点Aを含む立体Uの体積は何㎤ですか。

 

受験者正答率が極端に低かった問題(⑴88%、⑵41%、⑶8%学校発表のデータで計算)。

なぜこんなに低かったかというと、おそらく上の図をそのまま使うと平面BGDによる切り口がほとんど真裏にかくれてしまい、その切り口がイメージしにくかったのが主な原因ではと想像されます。

 

右矢印 平面BGDが手前にくるように、立体Tを時計回りに120°回転させた図で考えてみる。

3点B、G、Dを通る平面」(青)で立体Tを切ると、切り取られた立体(赤)は辺CA、辺CF、辺CHの真ん中の点(白)で切られているのがわかる。

つまり切り取られた立体(赤)は正三角すいで、立体Tと相似比1:2の相似形となっているから、その体積は立体Tの⅛。

よって、残った立体Uの体積は立体Tの⅞だから

 ¹²⁵⁄₃×⅞=⁸⁷⁵⁄₂₄㎤ 完了