覆面算 | 受験算数はきょうもおもしろい

以前の記事の続きです。

 

条件整理問題の一つに覆面算があります。同じ文字には同じ数字(0から9まで)を、違う文字には違う数字を入れて計算式を完成させるもので、こんな感じのものです。

実際の中学入試ではもう少し複雑な問題も出ています。たとえばこちらの問題。

 

以下の会話文中の㋐から㋗にあてはまる数を答えなさい。ただし、答えが複数ある場合はすべて答えなさい。(市川中2022)
 

 

352 市川中学校 2023年度用 5年間スーパー過去問 (声教の中学過去問シリーズ)

 

X:「下の筆算が成り立つように、各アルファベットに0から9までの数を1つずつ入れることを考えよう。」

Y:「それなら簡単だよ。AとDとGが6で、BとEとHが7で、CとFとIが4ならば、674+674+674=2022が成り立つよ。」
X:「そうだね。では、同じ数が使えなかったらどうだろう。各アルファベットに入る数が異なるように、0から9までの数を1つずつ入れられるかな。まず、一の位の数のみに着目すると、C+F+Iとして考えられる値は何があるだろうか。」
Y:「㋐が考えられるね。」

 

右矢印 「C+F+Iとして考えられる値」は12と22

 

X:「次に、繰り上がりと十の位の数のみに着目してB+E+Hの値を考えてみよう。」
Y:「㋑が考えられるね。同じようにしてA+D+Gの値は㋒が考えられるよ。」

 

右矢印 ㋑「B+E+Hの値」は10、11、20、21。㋒「A+D+Gの値」は18と19

 

X:「これだけだと、まだ各位の数の和の候補が多くて決められないね。でも、各アルファベットには0から9までの中から異なる9つの数が入ることを考えると、各位の数の和の組合せは1通りに絞られるんじゃないかな。
Y:「C+F+I=㋓、B+E+H=㋔、A+D+G=㋕だね。ということは、0から9の中で使わない数は㋖なんだね。」

 

右矢印 ここまでをまとめると、考えられる和の組合せは次の4つのパターンとなる。

ただ、このうち3つ(赤)はその合計が45(0~9までの和)を超えており条件をみたさない。

条件をみたすのは上から3行目の㋓12、㋔11、㋕19だけ。

このとき㋖「使わない数」は3

 

X:「では、Aが7のとき、残りのアルファベットに入る数の組合せが何通りあるか求めてごらん。」
Y:「わかった。㋗通りだね。」

 

右矢印 使わない数=3、A=7が決まったので、3と7以外の数について考える。

A=7よりD+G=12。これをみたす2つの数の組をまだ使える数からさがすと4と8だけ。

同じようにB+E+H=11をみたす3つの数の組をまだ使える数からさがすと❶(0,2,9)と❷(0,5,6)の2パターンある(残るC+F+Iの組もそれぞれ自動的に決まる)。

そして次の表のように、❶の場合が2×6×6=72通り、❷の場合も2×6×6=72通りあるから、ぜんぶで144通り 完了