覆面算2023 | 受験算数はきょうもおもしろい

以前の記事の続きです。

 

今年の入試問題から今回は覆面算の出題例です。

 

後述するような後日談こそありますが、よく考えられた算数的思考力をしっかりためす良問である点は揺るがないところです。

右の割り算で、Bに入る5桁の数は□、Aに入る1桁の数は□です。(大阪星光学院2023)

 

右矢印 □に㋐~㋝まで記号をつけていく。この過程で、㋓㋔㋘は同じ数が2回出てくること、Bの十の位は3であることがまずわかる。

さらに見ていくと

 

❶1ケタの数㋐とかけると2ケタの数「㋗9」「㋘3」になるから㋐=7だとわかる(7×7=49と7×9=63)。ここから

  • ㋚=1、㋕=7
  • ㋛=7、㋗=4
  • ㋜=9、㋘=6、㋖=5、㋓=5
  • ㋑=1、㋒=2
までするすると一気にわかる

❷あとは㋝=1、㋔=8、㋙=7となり A=7、B=12538 が正解完了

 

 

なお、よくよく考えると、❷の一の位については

 ㋝=0、㋔=1、㋙=0

でも一応成り立つ(通常そんな書き方はしないが数式としては成り立つ)のがわかります。

 

どうやら想定外だったようですが(もちろん何重にもチェックはされていたはずですが)同校は本問には正解が2つあること(2つめの正解が何かは明記されていませんがおそらくこのA=7、B=12531)ことを後日きちんと認め、これにより追加合格者3名が出た旨のレターが出されています。