カード問題(倍数の個数②) | 受験算数はきょうもおもしろい

以前の記事の続きです。

 

前回に続き、「倍数や公倍数の仕組みや求め方をきちんと理解できていますか?」というテーマのカード問題です。ルールをまずは正しく理解し、あとは数字が大きくなっても間違えずに数えられるかが勝負となる問題です。

 

1から2022の整数が1つずつ書かれた2022枚のカードがあります。初めに、2022枚のカードから5の倍数が書かれたカードを、数字の小さい順に1枚ずつ取り除きます。次に、残ったカードから3の倍数が書かれたカードを、数字の小さい順に1枚ずつ取り除きます。最後に、残ったカードから2の倍数が書かれたカードを、数字の小さい順に1枚ずつ取り除きます。
次の問いに答えなさい。(白陵中2022)

 

わかりやすく

「操作①」…5の倍数カードを小さい順に取り除く

「操作②」…3の倍数カードを小さい順に取り除く

「操作③」…2の倍数カードを小さい順に取り除く

として、まずは全体像を整理する。

 

わかりやすく表にしてみる。その際、5の倍数、3の倍数、2の倍数が登場するのだから、3つの最小公倍数30まで書いておけば十分(あとはその繰り返し)だろうと想像がつく。

 

❶操作①の対象となるカード(①)6枚はそのまま操作①で取り除かれる(赤)。

❷操作②の対象となるカード(②)10枚のうち「①②」となっている2枚はすでに①で取り除かれているので、実際に操作②で取り除かれるのは8枚(青)

❸操作③の対象となるカード(③)15枚のうち「①③」「①②③」となっている3枚はすでに①で取り除かれ、「②③」となっている4枚はすでに②で取り除かれているので、実際に操作③で取り除かれるのは8枚(黄)

❹31から2022のカードについても、上と同じように30枚を1つの組として同じ並びを規則的に繰り返す。

(となると「電球の点滅」のところでみた「同時に点灯する規則性」(最初に同時に点灯したあとは3つの最小公倍数で同時に点灯することを繰り返す)を考えるのとほぼ一緒ということになります。)

 

 

⑴ 2022枚のカードから5の倍数が書かれたカードをすべて取り除いたとき、残ったカードは何枚ですか。


右矢印 操作①で404枚(2022÷5=404あまり5より)が取り除かれるから、「残ったカード」は

 2022-404=1618枚

 

 

⑵ 2022が書かれたカードは何番目に取り除かれますか。

 

右矢印 2022は3の倍数なので操作②で取り除かれる。そして2022÷3=674より、もしこれが最初の操作だったら674番目に取り除かれていた。

 

しかし、3と5の公倍数(=15の倍数)のカードは操作①ですでに取り除かれている(❷でみた「①②」のカード」)から、ダブっているこの15の倍数カードの枚数を引くことが必要。

この15の倍数カードが134枚(2022÷15=134あまり12より)あるから「2022が書かれたカード」は操作②に入ったあとの540番目(=674-134)に取り除かれる。

 

これは、操作①で取り除かれた404枚と合わせると全体で 944番目 になる。

 

 

⑶ 1300番目に取り除かれるカードに書かれた数字を答えなさい。

 

右矢印 まず「1300番目に取り除かれるカード」は操作③に入ったあとの何番目かを考えると、1300-944=356番目。つまり、操作③をはじめたときに残っている2の倍数カードの356番目は何かを求める問題ということになる。

 

そして❸でみたように、操作③で取り除かれるカードは、30枚の組のなかに8枚ある。

 

よって、2の倍数カードの356番目は 356÷8=44あまり4 より、第45組の4番目のカードなので

 30×44+14=1334 完了