食塩水の問題(濃度算)では、天びん図、面積図、ビーカー図、やり取り図のうちの2つか3つを使い分けて対応するのが一般的ですが、こうした図を一切使わずにあっさり解ける問題もたまにあります。そうした問題では遠回りしないように気をつけたいところ。たとえば次のような問題です。
水との等量交換①(清泉女学院2021・3期)
濃さが12%の食塩水200gから食塩水を何gか取り出した後、代わりに取り出した食塩水と同じ重さの水を加えたところ、濃さが9%の食塩水ができました。取り出した食塩水は何gですか。
濃さが12%→9%になったということは 9%÷12%=¾ より、食塩が¾に減った=食塩水が¾に薄まったということ。つまり取り出した食塩水は¼とわかり 200g×¼=50g
水との等量交換②(国府台2021第2回)
容器の中に10%の食塩水が500gあります。この容器から100gの食塩水を捨てて、かわりに水を100g入れるという操作を繰り返します。この操作を▢回繰り返すとはじめて濃さが5%以下になります。
操作1回で 100g÷500g=⅕ を捨てるから⅘が残る。つまり1回めの操作で濃度は10%× ⅘ =8%になる。
2回めの操作で8%× ⅘ =6.4%、3回めで6.4%× ⅘ =5.12%となり、4回めで計算するまでもなく5%を切るから 答. 4回
この問題の受験生正答率は50ー20%だったと発表されています。
濃度を逆にする(東京女学館2021第4回)
濃度が4%の食塩水と濃度が15%の食塩水を混ぜ合わせて、9%の食塩水を作るつもりでしたが、まちがえて混ぜる量を逆にしてしまいました。このとき、できた食塩水の濃度を求めなさい。
濃度9%は4%と15%の間の5:6の位置にある。これを逆にしたというのだから、できた食塩水の濃度も逆の位置(6:5の位置)にあるということで 10%
同量を混ぜ合わせる(豊島岡2021第3回)
ある濃度の食塩水Aと6%の食塩水Bがあります。水が100g入った容器に食塩水A、Bをそれぞれ100gずつ入れてよくかき混ぜると3.8%の食塩水になりました。食塩水Aの濃度は何%ですか。
同じ重さ100gの食塩水3つなので、これらを混ぜ合わせた濃度は3つの濃度を足して3で割った平均値になる。式にして解くと
(▢%+6%+水0%)÷3=3.8% ▢+6=11.4 ▢=5.4%