せっかく習った連比を使わないのはもったいない入試問題(その7) | 受験算数はきょうもおもしろい

以前の記事の続きです。

 

次のような問題も、連比を使うことでそのまま3ついっぺんに比較できるので、途中で混乱することも少なくなり、解答スピードも上がることが期待できます。

 

  3つのデータ(東京女学館2019)

 

あるダムの今年の貯水量は昨年と比べると20%減り、一昨年と比べると36%減りました。昨年の貯水量は一昨年と比べて何%減ったか求めなさい。

 

右矢印 今年の貯水量は「昨年と比べると20%減」より、昨年を100とすると今年は80。

一昨年と比べると36%減」より、一昨年を100とすると今年は64。

共通する「今年」を基準に比合わせすると次の通り。

ここから「昨年の貯水量は一昨年と比べて何%減ったか」を求めると、一昨年は100だったものが昨年は80になったので 20% 減った。

 

 

  3人の徒競走(大妻中野2021グローバル)

 

兄と弟が20mを競争したところ、兄が4m差で勝ちました。弟と妹が20mを競争したところ、弟が5m差で勝ちました。このとき、兄と妹が20mを競争すると、兄は□m差で妹に勝ちます。ただし、3人の走る速さはそれぞれ一定とします。

 

右矢印 「兄と弟が20mを競争したところ、兄が4m差で勝ち」より、同じ時間で兄は20m進み弟は16m進むとわかる。

また「弟と妹が20mを競争したところ、弟が5m差で勝ち」より、同じ時間で弟は20m進み妹は15m進むとわかる。

共通する「弟」を基準に比合わせすると次の通り。

よって「兄と妹が20mを競争すると」兄が20m走るあいだに妹は12m走るのでその差は 8m

 

 

  3者の背比べ(洛星2019)

 

2本の棒A、Bがあります。太郎君の身長は、棒Aの長さの倍であり、棒Bの長さの倍です。棒A、Bの長さの差が36㎝であるとき、太郎君の身長は□㎝です。

 

右矢印 「太郎君の身長は、棒Aの長さの⅔倍」より、Aの長さを3とすると太郎の身長は2。

また「棒Bの長さの⅘倍」より、Bの長さを5とすると太郎の身長は4。

共通する「太郎」を基準に比合わせすると次の通り。

そして「棒A、Bの長さの差が36㎝」より ⑥-⑤=①=36㎝

よって太郎君の身長④は 144㎝