くやしいけどやっぱり便利な公式「和分の積」(その3) | 受験算数はきょうもおもしろい

以前の記事の続きです。

 

和分の積が最大の威力を発揮するのはやはり図形問題です。たとえば次の問題では、和分の積を使うことで、大きな時間短縮が実現できます。

 

図の四角形ABCDは正方形で、曲線は円の一部です。(1)は□にあてはまる数を入れなさい。
(1)辺ABの長さは□㎝です。
(2)図の影をつけた部分の周の長さを求めなさい。

               (女子学院2020)

 

 

 

 

 

7 女子学院中学校 2023年度用 10年間スーパー過去問 (声教の中学過去問シリーズ)

 

 

 

  小問(1)辺ABの長さは□㎝

 

 正方形ABCDに対角線ACを引いて直角二等辺三角形を作り、これとピラミッド型相似となるような1辺12㎝の直角三角形を考える。

 

 

すると和分の積より

  AB=(12×5)/(12+5)= ⁶⁰ ⁄ ₁₇ ㎝

 

  小問(2)影をつけた部分の周の長さ

 

求める長さは AB+AD+弧BD。

これを計算の工夫(分配法則、結合法則、交換法則)をしながら計算すると

  ⁶⁰ ⁄ ₁₇ ×2+(⁶⁰ ⁄ ₁₇ ×2×3.14×¼)

  =⁶⁰ ⁄ ₁₇ ×2×(1+3.14×¼)

  =60×2÷17×(1+0.785)=120×(1.785÷17)=12.6㎝ 完了