せっかく習った連比を使わないのはもったいない入試問題(その4) | 受験算数はきょうもおもしろい

多くの小学生が苦手とする単元の一つに売買損益の問題(損益算)があります。

売買損益の問題は「割合」を使って解くのが定番ですが、割合より比の方が簡単なので(※)、これを比(連比)を使って解くようにするのもアリではないかというのが今回のお話です。

 

(※)割合と比の違いをざっくり説明すると、割合では2つのものの一方を「もとにする量」、もう一方を「比べられる量」として、この関係性(方向性)を考えます(どちらを「もとにする量」とするかにより、もう一方が0.8になったり1.25になったりする複雑さがある)。これに対し、比は2つのものを単純に並べるだけです。売買損益の問題は「方向性」を考えなくても解けるはずなので、どちらでも解けるのであればラクに解ける比を使った方がいいに決まっています。

 

実際に、売買損益の入試問題を比(連比)を使って解いてみます。

 

 

「ある商品に原価の45%の利益を見込んで定価をつけて売りましたが、売れなかったので、定価の2割引きで売ったところ640円の利益がでました。この商品の原価はいくらですか。」

(清風南海中2022)

 

 

問題文にある情報をそのまま比にしていく。

「ある商品に原価の45%の利益を見込んで定価をつけて売りました」

右矢印 原価:定価=100:145

    (↑原価は100とおくのが何かと便利)

 

「定価の2割引きで売った」

右矢印 定価:売り値=100:80=5:4

 

ここで連比にする。

 

 

原価と売価との差が640円なので=40円。

よって原価は 40円×100= 4000円 完了

 

 

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