小学生はいつも計算ミスしがち | 受験算数はきょうもおもしろい

本番まで残り数ヶ月になって、子どもたちは過去問演習をし、苦手単元を補強し、新たな解法を習得している頃かと思います。そして、それを見守る保護者や指導者のなかには、計算ミスがぜんぜんなくならないよ~と嘆いておられる方もきっと多いことと思います。

とにかく小学生は計算ミスがなくならないのです。

 

以前に書きましたが、中学入試では解答だけを書かせる問題が多いので、テキトーなやり方でも通用することがあります。

 

 

その裏返しで、計算ミスがあれば致命的であり、そこにかけた労力を全否定されたことで本人のショックも大きいです。

 

計算ミスはゼロにすることまず不可能です。そこで指導者としては、方法論で、できるだけ計算ミスが起きる確率を下げることを考えます。たとえば、次のような道順を求める問題。

 

正解は90通り。おそらく正解できた子の半分は次のように数字を書き込んでいって、正解にたどり着いたはずです。

しかし、この方法だと本問では計20回の足し算をする必要があり、途中1回でも間違えると90にはなりません。そして、この20コの足し算を一度ですべて正しくできる6年生は意外なほど少ないです(お子さんがおられる保護者の方、ぜひ試してみてください)。

 

そこで、計算ミスによる痛い失点を防ぐため(とくに本問のように途中に障害物があるとそのまま足し算できない地点があるため計算ミスの発生確率はさらに高まる)、こうした道順の問題では、①組み合わせの考えで全部の行き方を求める(126通り)、②通れない道の行き方(36通り)をあとから引く、という解法(計算は大きく2回だけ)に早いタイミングで変えることをオススメしています(中学数学や高校数学、公務員試験でもそのまま使えることだし)。