★小学校受験戦争の功罪
昨冬から、わが家は、いわゆる「お受験モード」に突入した。約1年にもわたるであろう地味で長いこの戦争について、振り返ってみた。私立や国立小学校に通学する比率は約1%といわれている。したがって、意外と貴重な経験をしたこともあり、下記にその経験を整理したいと思う。
★そもそも「お受験」にかかるコスト算出
わが家は、ジャック幼児教室、しながわ目黒幼児教室をベースとしつつ、さらに絵画教室、体操教室、自宅そばの公文、以前から通っていたバレエ教室という習い事の陣容だった。
嫁の仕事は激務であり、幼児教室関連オペレーションの大半は私に落ちてきた。
とはいえ、寒い冬や、酷暑となった今夏も、これらの塾の対応は体力的に厳しいものがあった。
まずは、私立受験の厳しい面を整理してみたい。
★小学校受験のダークサイド
・幼児教室の費用が高い(費用の割には、質は総じて低い。多いとき(たとえば夏期講習シーズン)は、月20万円をらくに超える出費が続く状況となった)
・土日のスケジュールは習い事中心となる
・支払った税金の回収でもっとも効率的となる公立学校通学という機会損失をしてしまう。都立高校は無料であり、高校まで公立で通すのが、税回収としては最高効率であるが、その機会を逸してしまう。
・共働きでの受験は、主婦家庭と比較すると、旦那への負荷がより一層深刻な負荷となる(旦那の忍耐力が合否を分けると言えそう)
・実家へ行く機会損失が発生する(実家と疎遠になる)
・以上のコストをかけたにもかかわらず、幼児の成長力はそんなに高くない(ゆっくりと着実に成長という感じ)
・多大なコストをかけたにもかかわらず、難関と言われる国立小学校は約50倍の難易度、私立上位校は約10倍。受験労力が報われる家庭は、ほんの一握り
・合格した学校が遠距離の場合は、引っ越しも検討しなければならない。
★小学校受験の良かった点
・土日の移動時間は、そのほとんどをかわいい娘と手をつないで過ごせる。お互いの親近感が増す(組織効率の向上)
・5歳という早い段階で、リアルな競争環境に身を置き、世の中の厳しさを肌で感じる機会を得られる(健全な競争意識の向上)
・仮に小学校受験勉強をしていなかった場合、絵画や工作、文字の読み書き、集団行動などで劣後をとっていた可能性が高い(基礎能力の向上)
・エスカレーター校に入学できた場合、今後の受験戦争を優位な立場で戦うことができる(先行投資の優位性)
★総括
以上をふまえると、小学校受験を他人に薦めるか否かを問われた場合、私は次のとおり回答したい。
小学校受験はお金がかかります。しかも、支払った税回収の機会損失ともなります。共働きの場合は、夫への負荷も大きなものとなり、休日の旅行などは制約を受けます。実家とも疎遠となります。これだけの労力をかけても、難関校は倍率がとても高く、必ずしも努力が報われるとは限らないです。合格した学校が遠距離の場合は、住み慣れた場所から引っ越しするリスクもあります。少ないメリットといえば、土日にかわいい愛娘と手をつないで過ごせる機会が増えること、娘が競争環境に触れること、娘の総合的な基礎能力が少し向上することくらいです。わが家は、公立小学校で良かったのでは、と反省をしています。
なんとか終盤にたどり着きましたが、ラストスパートに猛進しようと思います。