犬獣戯画 -2ページ目

犬獣戯画

下町のロビンソン・クルーソー。
『最後の秘境は他人』がモットー。

 先週、祖母が死んだ。

 んで、それだけ。

 少なくとも“世界”にとってはそれだけだ。


 私にとっては、大好きな、そして人生で一番愛してくれた存在だった。

 が、『悲しいか?』と言われるとそうでもない。92歳の死を悲しむべきか否か、私にはわからない。


 しかしテキは皆一様にこう続ける『後で、来るよ』と。

 なぜ“今”悲しまない私に“余震”のような脅しをかけるのか、それすら私にはわからない。


 ここ一週間ほど、ベランダから夜空を眺めている。

 祖母の影を探しているのではない。祖母は(夜空とは逆に)“土に還った”ものと思うから。


 “祖母”という足枷の無くなった私は、とてつもなく自由になったのだと思う。

 そうして、生まれて初めて味わう“自由”への寂寥感に、既にうんざりしている。


 祖母の居ないこの荒野の様な世界は、果たして生き延びるに値するものか、じっくり見つめ直したいと思う今夜この頃である。


 ばーさん、ありがとう。

 大好きだったんだよ。