痔ダイおくれ | 犬獣戯画

犬獣戯画

下町のロビンソン・クルーソー。
『最後の秘境は他人』がモットー。

 久しぶりに更新するブログにこんな事を書くのは如何なものかと思うけれど、つい先日から長年の大敵“痔”の根治の為にとある病院に入院している。


 入院初日に手術自体は終わってしまったし、その後は術後の安静のために大人しくも退屈な入院生活を送っていて、以前よりぐうたらしていることに関しては我ながら自信を持っていたけれど其れも根幹から揺るがされるように暇を持て余している。


 一応医者から煙草は止められているのだが、やっぱり吸ってしまう。

 そうして夜空を眺めながら煙草を咥えていると、紫煙の向こうに実に様々な想念が過る。


 少し話は変わるが、五月に入ってから山田風太郎にハマってしまって何冊か読んでいて、その中でもやっぱり柳生十兵衛が出てくる物語は面白いなぁと思いながら『柳生十兵衛死す』『柳生忍法帖』と読んで、そして今読んでいるのが『魔界転生』なのだが、実に面白い。

 現代では“禁止用語”とされる言葉も少なくないが、別に何の支障もない。むしろ現代の“言葉狩り”とも言える風潮に憤慨すると共に、寛容さを失った社会に対して若干の哀しさをも覚える。


 そうして徐ろに喫煙所に向かい、紫煙の向こう側に途切れ途切れに考えることと言えば

ーーー痔が治ったら、もう痛みなどに悩まなくて済むが

ーーー仮に痔が治って退院した直後に死んだらやはり成仏はしないであろうか?

ーーーその時、仮に私が人並み以上に“生”に対する執着を持っていて、森宗意軒と美女がドロリンと現れて、魔界転生するかと問われれば断る自信が、ない!

ーーーでも、本人の肉体とかが全盛期の頃に戻るんだから、結局痔は発症するんだよなァ

 紫煙をフイッと吹き出しながら頭ごと想念を振り切って喫煙所を出る。


 こんな事を考えるくらい暇だ、とも言えるが、こんな事を考えている私自身が我ながら不気味でもある。

 つまりは相変わらず元気でやってます、って事で。



〈時代おくれ 河島英五〉

イチハラヒロコの作品であろうか?