わたしのお兄ちゃんへの好きは本気すぎてたまにどうしようもないと思ってしまう。
プライドが高いからそれを誰かの前で口にはしないけど。
だって惨めでしょう。こんなに好きなのに、相手にもされないなんて。
何度キスされたって、頭を撫でられたって、名前を呼ばれたって、意味なんて微塵もないんだから。
惨めだし、可哀想だし、滑稽だよね。
いちばん綺麗に残した記憶は、指を繋いで眠ろうとした可愛い姿。
悪戯のキスよりも、他愛のない会話よりも、優しい言葉よりも。
何よりも、あの瞬間がいちばん。
それ以外はもう記憶から消えても惜しくはないよ。
彼の人生の内の一瞬、ほんの一瞬を知れたことだけは、誇るべきなのかもしれないけど。
感謝すべきは、彼の存在がわたしを誤魔化してくれていること。
わたしを普通の女の子に見せてくれていること。
彼に泣かされた辛さを思えば、今のこの生温い想いと辛さなんて。